産経抄】
8月12日
夏の甲子園が始まると、作詞家の阿久悠さんは球児をテーマに1日1編の詩を書いた。詩には短い所感を添えて、『甲子園の詩(うた)』と題してスポーツニッポンに寄稿した。昭和60(1985)年8月15日に書かれた文は、その余韻とともに忘れがたい。
▼〈黙祷(もくとう)の意味を心を、心をつくして語ってやりたい。この素晴しい夏の祭典を永遠につづかせるためにも〉。ことしも終戦の日が近い。昨今の国際情勢を阿久さんが知ったなら、とふと考えてみる。正午に響く1分間のサイレンは、泉下の人にどう聞こえるだろう。
8月12日
夏の甲子園が始まると、作詞家の阿久悠さんは球児をテーマに1日1編の詩を書いた。詩には短い所感を添えて、『甲子園の詩(うた)』と題してスポーツニッポンに寄稿した。昭和60(1985)年8月15日に書かれた文は、その余韻とともに忘れがたい。
▼〈黙祷(もくとう)の意味を心を、心をつくして語ってやりたい。この素晴しい夏の祭典を永遠につづかせるためにも〉。ことしも終戦の日が近い。昨今の国際情勢を阿久さんが知ったなら、とふと考えてみる。正午に響く1分間のサイレンは、泉下の人にどう聞こえるだろう。