茂木敏充外相は7日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の治療薬としての効果が期待されるインフルエンザ薬「アビガン」について、希望する国々に無償供与すると明らかにした。
すでにインドネシアやアルバニア、イランなど20カ国への供与を調整済みとし、「アビガンの臨床研究を国際的に拡大したい」と述べた。
相手国にはアビガンの副作用についても説明し、日本へのデータの提供を文書で約束した上で、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じて順次供与する。
別に30カ国への供与も調整中という。
計100万ドルの緊急無償資金協力として行う。
アビガンは、富士フイルムホールディングス傘下の製薬会社「富士フイルム富山化学」(東京)が開発。
安倍晋三首相は3月28日の記者会見で、治療薬としての正式承認に向け、治験プロセスを開始すると表明した。
■政府は200万人分を確保
新型コロナウイルスの治療薬として、政府が200万人分を確保する方針を打ち出しているのが『アビガン』という新型インフルエンザ治療薬です。
その開発者に話を聞きました。
「中国・深センで行われた臨床結果によると、アビガンを使った人は4日でウイルスが消えた。」(千里金蘭大学 白木公康教授)大阪府吹田市にある千里金蘭大学の白木教授らが、6年前に新型インフルエンザの治療薬として開発した薬『アビガン』。
政府が今年4月5日にまとめた緊急経済対策の原案では、新型コロナウイルスの治療に効果が期待されるとして、200万人分を確保する方針が示されました。
「(2014年に)抗インフルエンザ薬として承認されました。(当時)アフリカではエボラ出血熱が流行していて、エボラ出血熱には特効薬がありませんでした。イギリスのグループがアビガンを予防に使いました。今回の感染症で一番重要な肺炎については、アビガンを使った人は14日間(2週間)では91%の人が改善している。」(千里金蘭大学 白木公康教授)『アビガン』はウイルスの遺伝子の複製を阻害することで増殖を防ぐ効果があるとされていて、すでに中国政府が新型コロナウイルスの治療で効果が認められたと発表し、ドイツ政府もアビガンを調達する方針を明らかにしています。
「今、効くことが分かっている薬を使って、今のところどこまでやれるかということじゃないかと思います。」(千里金蘭大学 白木公康教授)白木教授と共に『アビガン』を開発した富士フイルム富山化学は、新型コロナウイルス感染者への臨床試験を始めていて、早ければ7月以降に全国の医療機関で処方されるということです。
【日時】2020年04月07日(火)
【提供】gossip!