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新型コロナウイルスの感染拡大で夜間の外出を自粛する動きが広がる中、風俗業界で働く女性たちの支援団体には生活の困窮を訴える相談が急増しています。
支援団体は「風俗業界で働く人たちの深刻な窮状について社会が理解を深め、適切な支援が届くようになってほしい」と話しています。
弁護士や社会福祉士などでつくる支援団体「風テラス」は、風俗業界で働く女性たちからの相談をSNSやメールなどで受け付けていますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って相談が急増し、ことし2月から2日までの相談件数は321件に上っています。
寄せられた相談は「給料が2週間ほぼない状態で、家賃や生活費、医療費が払えない」などと生活の困窮を訴えるものが最も多く、中にはシングルマザーの女性から、「臨時休校で子どもを預けるのも難しくほとんど働けなくなった。ほかに収入を得るすべもなく追い詰められている」などという深刻な相談も寄せられているということです。
支援団体によりますと、全国の性風俗店で働く女性は推計で30万人以上に上るということですが、こうした女性たちは臨時休校に伴って仕事を休まざるを得なくなった保護者の休業補償など雇用関係の助成金が支給される対象になっていません。
「風テラス」発起人の坂爪真吾さんは、「風俗業界の仕事は、福祉の網からこぼれ落ちた人たちをグレーゾーンの中で包摂する存在だったが、感染拡大の影響でこうした生活の基盤が一気に崩れてしまった。いますぐ手元に1万円や2万円がないと生活が成り立たない人が非常に多いという深刻な窮状について社会が理解を深め、適切な支援が届くようになってほしい」と話しています。