>>0
『(略)日本国は自己増殖可能なウイルス型戦闘機ZEROを攻撃にも防衛にも利用できるようにすればいいと思う』
…ユニークですが、数百年後の未来はともかく、リアル・ワールドにおける紛争解決手段や戦争回避の役には立たないでしょうね。
「こうだったらいいのに」は、空想を前提にした話なら楽しいものです。しかしそれで現実を語ると現実逃避になってしまいますよ。
『(略)武力を使わず、平和と繁栄のために敵国の自尊心を傷つけず戦争を回避すべきだと思う』
…これも同様です。
戦争は〝自尊心〟より、ずっとリアルな国益が絡む国家間の〝紛争〟がその原因です。
例えばJ国が支配するX島という小さな島があるとします。
それに対してA国が「X島はA国のものだ。返還せよ」
…こう要求してきたとします。
J国とすれば、X島の周辺海域でJ国民が漁業を行なっていますから、その生活を守るために妥協は出来ません。
…こんな双方が妥協出来ない紛争がまずあって、それをどんな形で決着させるか(JとAどちらの主張を通すか)を戦争云々以前に考えなければなりません。
J国かA国のどちらかが相手に妥協しないと〝紛争〟は解決しません(解決せず棚上げするのも手)。
そして〝自尊心〟は戦争の勝敗だけで傷つくのではありません。
話し合いなど戦争以外の方法で紛争を解決させても、妥協した側の自尊心は傷つき、遺恨も残ります。
その相手が軍事力に自信があれば「戦争で決定をひっくり返そう」と考える可能性もあるのです。
戦争さえ回避出来ればよい、ではなく
「ではこの国家間紛争については棚上げも含めてどう決着させようか、それには戦争以外にはどんな手段があるだろうか」
…これを〝地に足をつけて〟考えていくしかないと思います。