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　今まで当連載では、人生のいろいろなエアポケットをのぞき込んできた。

　ですが、そろそろ私も限界なようです。

　そのようなわけで、新しいライター氏に交代になります。

　タイトルはまごうことなき私の本音です。こんなんやってたら頭おかしなります。そのようなわけで今回は、単にこれまでの事情も含め、当連載すなわち「たらい回し人生相談」がいかに非常識でありえない運営かをお見せします。

　以下は筆者が降りる理由のぶっちゃけです。

筆者：というわけで、もうさすがにやめたいのですが。

大司教：いいね。

筆者：まずこの連載がどういう体制で行われていたか説明する必要があると思います。一言でいえば編集が機能してません。

大司教：そうね。

筆者：前回の募集にイラストの発注とか校正とか含まれてて、こういうのは本来編集さんの職分なわけですが、実体としてはこれをぜんぶ大司教サイドで巻きとってやってました。もっというとイラストレーターの稿料は大司教のポケットマネーです。信じられないかもしれないけど。本当にそうなの。

大司教：丸投げって感じですかね。

筆者：丸投げならまだいいんですが……丸投げは言葉が良すぎる……。

大司教：編集さんは、実話系のイラスト（第３回参照）１枚で連載を続けるつもりだったようです。さすがにヤバいと思ってイラストレーターを探しました。

筆者：それで大司教とかがイラストの発注とかやってたら「熱心ですねえ！　楽でいいです！」でしょ？　嫌味かって思ったけど悪意すらないんですよね。

大司教：ワハハ。だいぶキレてますね。

筆者：社会人の九割は私の立場なら怒ると思いますよ。

事情①この連載がどうやってできていたか：

筆者：この連載がどうやってできていたかというと、まず元の対談というか、素材がなんらかの形で私のもとにくるわけですが、記念すべき第一回の時点で、まず相談とか対談とかそういう体を成してない長時間の録音音声でした。

大司教：あ、はい。

筆者：自分で言うのもなんですが、あの音声を記事にしろ、というのは私しかできないですよ。あまりにも要領を得なさすぎるので「当事者の訂正事項をはさみまくっている異様なウェブ記事」という形で無理やり記事にしました。ようするに音声が先にあって、企画があとになります。

大司教：当連載の標準スタイルですね。

筆者：そうですね。基本的に無計画というか、企画らしい企画がないまま対談に突入し、大司教と相談者というか、対談相手がだべります。それからそれを素材にできそうな記事の見せ方というか、企画を後付けで考えてやってましたね。

大司教：はい。その前提で散漫にだべるようにしてます。

筆者：普通は対談記事って言ってもそういう段取りじゃないはずなんですよね。いちおう「こういう内容にしよう」ぐらいの企画があって、対談も趣旨みたいなのは基本的にあって、という感じだと思います。ところが当連載はマジで大司教から「今から話すんで」って呼び出されるところからスタートするんですよね。

大司教：事前に企画するのは最初期に諦めました。

筆者：普通のライターは困ると思うんで、後続の方にはもうちょっとこう……手心というか。ようするに仕事じゃないんですよねこれ。別の何か。

大司教：ミスター発達氏なら訓練になるかなと思って。

 ■事情②「サムネイルって何ですか？」：

 筆者：私、編集さんに文句言うことっていままで一度もなかったんですけどね。

大司教：まあ（当連載の編集さんは）例外的な人ではありますね。

筆者：おかしすぎるんですよ。普通じゃない。どこから話せばいいかわかりませんが、こっち側がまず違和感というか、おかしいなって思ったのは、イラストの発注がらみですね。イラストレーターさんからサムネイルの位置の指定について質問があって、それを確認したら「サムネイルって何ですか？」ってきたんですよね。

大司教：あれは印象的でした。

筆者：ウェブメディアの編集さんがサムネイルって言葉を知らないなんて、普通ないわけですよね。そのときに「なにかおかしいな？」って思いました。

大司教：私もです。

筆者：あと、編集さんが勝手に原稿内容をいじるんですよね。しかも冒頭とか重要部分。最初のころの冒頭の人物紹介とか、僕が書いてないので。これはもう「とにかくやめてくれ」としか言いようがないです。

大司教：あれは男らしかった。

筆者：そういうことをするかと思いきや、記事チェックとかは基本的に素通しなんですよね。たまに恰好をつけるみたいに細かい部分を指摘してくるぐらい。なにしろ「記事を全部黒塗りにしてください」って言ったらそうしてくれるんだからすごい。

大司教：あれ原稿料もらえるのかな。まあ最悪、中田先生が立て替えてくれるそうなので。

筆者：でかい問題起こす前にやめるべきですね。

大司教：もう起きてますけどね。

筆者：途中の告知欄で「代わりに連載の移転先を募集します」とか書いた回がありましたけど、ああいうのも普通、何か言いますよね。

大司教：ああ、編集さんがバックレたときの。

筆者：そうそう、最大の問題がそれです。編集さんが予告なしにいきなり四日間音信不通になって、そのあいだ何もできなかったんですよ。

大司教：週刊連載なのにね。

筆者：自分は「死んだのかな？」って思ってました。

事情③PVに意味がない：

筆者：あとこれはもうちょっとモチベーションの話なんですけど、PVに意味がないんですよね。この連載。

大司教：結論としてはそうなります。

筆者：そもそもこの連載をちょっとアングラ寄りの内容にしたのは、いまポリコレブームでそういうコンテンツの供給がないから、昔のサブカルみたいなノリのリバイバルでそういうのが好きなお客さんを狙おうって趣旨だったと思うんですが。

大司教：そういう話でしたね。PVのため、当初とはまったく異なる企画にしたわけで。

筆者：おかげで多少は見てもらえたけど、そうやっていわば手を汚して稼いだPVに意味がなかったんですよね。

大司教：そもそも偽のPVを教えられてたしね。

筆者：それも意味がわからないんですけど、けっきょくどういうことなんですかね。

大司教：サイト管理者からPVをうまく聞き出せなかったとのことです。

筆者：そもそも、ここの原稿料って微妙というか、字単価は普通だけど、取材とかも含めると最低賃金を完全に割ってくるわけですよね。

大司教：私は赤字です。

筆者：うちも仕事は多くないけど、いちおう単価で数倍の仕事もいただいてるんで……。

大司教：へー。スキルだけはあるからなあ。

筆者：まあ相場なんてあってないようなものですから、値段そのものには納得してたんです。稿料安くても本とかになったら回収できるかなって。編集さんが本にするって言うから。そしたらそれウソで、本が出ないわけでしょ。

大司教：ウソかはさておき、おそらく紙では出ません。だから自前で電子書籍でも出すかなあという話をしています。

筆者：かんべんしてくれよ……。

大司教：つまりは儲からないからやめたいと。

筆者：そらそうですよ。これ仕事なんで。

大司教：では今回で最終回ということで。

筆者：単純に、このチームの状況じゃリスクコントロールができないんですよ。読者から「話を盛ってるだろう」みたいな感想来たけど、実際の「筆者」の作業は逆なんですよ。薄めてるの。なぜなら本当の取材で聴いた内容はもっとヤバいから。だから話を盛るどころか減らしてるわけです。読者さんのコメントで「警察とかは何か言わないのか」とかあったけど、警察ならまだいいですよ。もっとやばいことになる。

大司教：私は一向にかまわないですけどね。

筆者：もう私の体調だとそのへんのリスクを舵取りできないとわかったので、私はやめます。少なくともクオリティコントロールが可能になる枠組みがないと。それこそスポンサーでもついて、ちゃんとチェックしてくれるスタッフがいればいいですが。

大司教：お、発達した。

筆者：告知欄で何か仕事募集してもらおうかな……。

大司教：成功者の皆さんから「競技プログラミングを成仏させたい」という相談が来ています。なんでも学生時代の後始末だとか。

筆者：うーん？　ぜんぜんよくわからないのですが。

大司教：現在「競技プログラミング」を名乗っている亡霊は、ライター業界でたとえると「タイピング速度とライターとしての能力の区別がつかない人を量産するシステム」のようです。受験エリートに取り憑き偏差値(レーティング)の話しかできなくさせ、犠牲者を増やしつづけるそうです。

筆者：ちょっとよくわからないですが、一般人としての立場から専門分野の事を取材して書くということならできるかなと思います。

大司教：新ライター「ウ」氏を迎えた新連載「ビジネスエアプ講座（仮題）」もよろしくお願いします。働いたことのない人が書く斬新なビジネスコラムです。「ウ」氏にも編集さんにもまだ一切企画を通していませんが、勝手に告知しておきます。

✳︎連載「たらい回し人生相談」は毎週日曜日（20時）更新予定