天皇陛下の「生前退位」の日程をめぐって、一部大手メディアが「2019年3月31日」と報じたことに対し、菅義偉官房長官は20日午前の会見で「そうした事実はない」と強く否定した。
折しもこの日、美智子皇后陛下が83歳の誕生日を迎えた。
天皇陛下の譲位をめぐっては、昨年8月に陛下ご自身が表明した「お言葉」を受けて、退位を一代限りで認める皇室典範特例法が今年6月、国会で可決され、成立。
退位と皇太子殿下の即位の日程については、「2018年12月末に退位、19年1月に新元号の施工」と、「2019年3月末退位、4月改元」の二案が検討されている。
20日には一部メディアが「政府は後者案の方針で最終調整に入った」と報道。
菅官房長官は会見でこの問題について質問した報道機関に対し、「そうした事実はない」と強く否定したうえで、「国会での議論、衆参両院委員会で議論された付帯決議の趣旨を尊重して、皇室典範特例法の施行に向けて、宮内庁が中心になって検討を進めている」と説明した。
新元号への施工については、社会的や経済的な影響が大きいことから、早めに公表して周知期間を取るべきだという意見も多い。
この問題について菅官房長官は、「退位は憲政史上初めてのことで、現段階で改元時期を示すのは極めて困難だ。国民生活への影響を考慮して、適切に検討していく」と述べた。
折しも20日には美智子皇后が83歳を迎え、宮内記者会の質問に対して文書で回答した。
天皇陛下の譲位については「長い年月、ひたすら象徴のあるべき姿を求めてここまで歩まれた陛下が、ご高齢となられた今、しばらくの安息の日々をお持ちになれるということに計り知れぬ大きな安らぎを覚え、これを可能にしてくださった多くの方々に深く感謝しております」と語られている。
【日時】2017年10月20日(金) 12:04
【提供】ハザードラボ