先月、平沢港でアルバイトをしていたところ、300キロコンテナの下敷きになって死亡した故イ・ソンホさん(23)の父親は「(当時の現場で)人間の極と極が出てきた」と話した。
イさんの父親は10日、ラジオ番組で息子の事故当時を思い浮かべながらこのように話した。
事故が発生したのは先月22日で半月が過ぎたが、イさんの父親を含む遺族はまだ息子を見送ることができずにいる。
イさんの父親は「自分の子どもがこうなるまで直接原因を提供した人があきらかにいる。その2人のうち1人は心から謝罪した。ところがもう1人は、自分はそんなことをしたことがないと言い逃れをしているため、(息子は)目を閉じていない」と話した。
イさんは兵役後、復学を控えて父親の職場で小遣いを稼ぐためアルバイトをしていたところだった。
父親は息子の事故直後、119(日本の110番)への通報や家族への連絡など何の措置も取られていなかったと明らかにした。
父親は「現場責任者が無線機で上層部に『大変なことになった。119になると思われる』と報告した。この無線を受けたキム某代理が現場に駆けつけると、子どもがそうなっていて、状況がそうだから、まず119に通報しなければならないのに通報せず、また別の上層部、事務室にいるキム代理に電話をする。その電話を受けた代理が119に通報したと私に話す録音ファイルがある」と話した。
続けて「(息子と現場に)一緒に投入されていた外国人労働者も音がして見たら、私の息子が下敷きになっていたのだ。韓国人を見て救急車を呼んでと言いながら、私の子どもが下敷きになっていたものを持とうとして腰を痛めた」と付け加えた。
また「職員たちは上層部に現場中継するように報告をした」と強調した。
父親はさらに、息子がゴミ拾いの指示がなかったにもかかわらず、自ら進んで仕事をして事故に遭ったという主張に対しては、「子どもが自発的に入ってゴミを拾ったとしても、事件の本質は会社で人件費を減らすために安全要員を投入しなかったということだ」と述べた。
父親は「人件費を減らす、利益を少し上げたいという欲から起こった事故」と述べた。アルバイトの学生が初めて行った現場で、管理監督者や安全装備無しで働いたために起きたということだ。父親は「自分の子どもをたくましく育てようと、お金の大切さとか…。それで、子どもを連れて通っていたのであって、お金を稼いで来いと連れて通っていたわけではない。しかし、ある意味、結果は自分が子どもを死に追いやったという罪悪感が自分を苦しめる」と吐露した。
最後に「これ以上の労災死亡事故、今回のことが最後になることを願う」とし「本当にこれに係わった人たち、痛恨の教訓だと思い、二度とこうした犠牲者が出ないように努力すべきだ」と強調した。
警察は、イさんが本来の業務ではなくコンテナ作業に投入された経緯や安全規則の順守に至るまで捜査している。
【日時】2021年05月10日(月) 11:32
【提供】WoW!Korea