🪓 ﾒﾙﾃｨﾌﾞﾗｯﾄﾞ攻略･地方

　————第一日目　ＡＭ１０：０９　バス内　都古視点 都古「へっへー、着いたらきっとお兄ちゃんびっくりするだろうなー」 レン「……………………」 白レン「ふふ、驚きと戸惑いの入り混じった志貴の顔、簡単に想像できるわね」 　今日からお兄ちゃん達こおとおぶの人は、『りんかんがっこう』っていう遠足みたいなのに出かけるらしい。 　折角夏休みだっていうのに、暫くお兄ちゃんに会えなくなるのは寂しかった。 　そこで思いついたひみつのさくせん。 　双児の姉妹のレンちゃん達と一緒に、ないしょでバスに乗り込んでついてっちゃおう！ 　そうしてあたし達はいすの床下にあるにだいにしのびこんで、目的地へと向かっているのだ。 白レン「ねえレン、こんな蒸し暑いところでケーキなんて食べて、気持ち悪くない？」 レン「…………（ふるふる）」 都古「ぱりぱり。いいじゃん別に、レンちゃんケーキ大好きなんだよね」 　持ってきていたポテトチップを食べながら、レンちゃんに向かって言う。 　レンちゃんはいつも無表情なのでわかりにくいけど、とっても嬉しそうだ。 白レン「美味しそうに食べちゃって、はしたないわ」 レン「ケーキを食す」 都古・白レン「喋った！」 　レンちゃんはとくべつ無口だけど、たまーによくわからないタイミングで喋ったりする。 　だもんで、仲の良いあたしや姉妹の白レンちゃんでもびっくりしちゃう。 　思わず何事もなかったみたいに、ケーキをもふもふと食べてるレンちゃんを二人してじーっとみつめる。 　————と、その時、いきなり上の方からすんごい音がした。 『ボエ〜』 白レン「きゃっ、なに！？」 都古「うわわ、なにこれ！」 レン「…………（もふもふ）」 　こまくが破けそうな程の音に、反射的に耳を手でふさぐ。 　いくらあたしがこんふーを積んでいても、こまくはきたえられないよ！ 　白レンちゃんはとってもふゆかいそうに顔をしかめてた。 都古「うう、耳がきーんって言ってる……」 白レン「最悪ね、歌のようだけど、典雅さの欠片もないわ」 レン「…………（じー）」 白レン「どうしたのレン、上が気になるの？」 都古「……話し声がする、これはヒスイとコハク……他は」 　そこで、なんだかとってもようすがおかしいことに気づいた。 都古「タイヘン！　みんな今ので気絶しちゃってるみたい！」 白レン「やってくれたわね……琥珀でしょう、あれ」 レン「…………（くいくい）」 都古「え、どうかしたの、レンちゃん」 レン「…………（ぎゅー）」 　レンちゃんは、あたしの手を握ると、そのまま近くのにもつをぎゅってさせる。 　白レンちゃんもかおをまっさおにして、そばのにもつをぎゅーってしてた。 都古「どういうこ……」 どっがああああああん！ 　あたしの声は、ばく音としょーげきで、どっかいっちゃった。 　からだがぺっちゃんこになりそうなほどの苦しみがいっしゅんきたけど、すぐにくらっとなってしまった。 　さいごに、となりでレンちゃんが、にだいの外をじっと見つめてるのがみえた。 鬱陶しいかもしれませんが、名前欄にシリーズのタイトル入れてみました その方がいちいち>>131の続きとか書くより早いと思ったので