🪓 ﾒﾙﾃｨﾌﾞﾗｯﾄﾞ攻略･地方

「私立普通科メルブラ学園」

前の学校というのは掃溜め、糞溜めだった。
どいつもこいつもーー生徒も教師もだ。
人の不幸を願い、自分を美化させるのに必死だった。
自分より劣る奴を侮蔑し、勝る奴を羨望の念を抱く。
だが少しはまともな奴も居た。
まず弓塚、それとその彼氏の「コーヒー馬鹿」
そしてもう一人…

七夜「どうもお久しぶりです。
　　　あなたも此処に来てくれて本当に嬉しいです」

弓塚「本当に。これでもっと楽しくなるね！
　　　先生も来てくれるなんて思ってもみなかったもん！」

現在午前６時
俺達は早起きして、ある人物を校門前で待っていた。
俺達の恩師がこの学園で今日から働くからだ。

ワラキア「学校をクビになって…復職して…
　　　　　実際複雑な気分なのだがね。
　　　　　だが、君達にもう一度会えるとは」

七夜「ハッ！あんな処から抜け出て最高じゃないですか。
　　　異常者は異常者共にケツ拭かせればいい」

ワラキア「それでも、親からは勘当同然だがね。
　　　　　…妹、シオンというのだが…
　　　　　私と同じく昔に勘当されてね。
　　　　　エルトナムの名を汚した、と、ね、…そして私だ」

弓塚「そういえば先生の家って名家でしたね…
　　　大丈夫なんですか？その…色々と…」

ワラキア「エルトナムの名は捨てたから関係ないよ。
　　　　　大事な妹を守れずして何が「名」だ。
　　　　　あの子を昔は救えなかった、恨んでるかもしれない。
　　　　　だが今度は守るよ、あの子がどう思っても」

七夜「流石」

弓塚「私達の先生」

ワラキア「校内に入る前から青眼を持って迎えられるとは
　　　　　思ってみなかったよ、ありがとう」

七夜「この学校では誰も白眼を持つ者などいません」

不思議と自然に出た言葉だったが
驚かすには十分だったようだ

ワラキア「フ、変わったね。否、良いほうに、だ。
　　　　　少し前の君からは想像出来ない位…
　　　　　成る程、それほどの学園か。」

弓塚「ではどうぞ先生、足を踏み入れて下さい。
　　　私も七夜くんも同じことをしました。
　　　この校舎に入れば先生も
　　　『呪縛なんて言葉を忘れ』ます、よ？」

ワラキア「言うね」

七夜「俺も臥薪嘗胆を忘れる位
　　　それくらい此処は呆れかえる程、平和です」

ワラキア「そうか…いや、懸念は杞憂だったようだ。
　　　　　さて七夜君、弓塚君、又偶然会ったのも何かの縁だ
　　　　　また宜敷く頼む」

七夜「無論」

弓塚「楽しみです」

>>609の続き

さて…まさかかつての教え子にーー
しかも出迎えまでされて迎えられるとは思わなかった。
確かにこの学園はいい感じだ。
シオンもこの学園を薦める理由も
七夜君や弓塚君の評が高いのも頷ける…、だが…

あの二人にはこう言ってしまった
「さて七夜君、弓塚君、
　又偶然会ったのも何かの縁だ
　また宜敷く頼む」

気が引ける…嘘吐きもいいところだ
偶然来たみたいにいうのは卑怯もいいところだろう
だがあの子達を騙してまで、偶然を纏っているのだ

「ならばなるべく早く、早くだ。
　目的を達成させるべきだろう…な」

すまないが、もう少しばかり
君たちの中で「いい先生」でいさせてくれ