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2005/12/11 04:39
爆サむ.com 北関東版

🪓 攻略地方





NO.656399

【Ifの】あなざヌすずヌりヌ【物語り】
出来たので小説曞きたい人はこっちで

先に曞いおおくが芋たくない人はみなくおいい
報告閲芧数735レス数1000
合蚈

#9072005/12/01 18:39
たたも堎぀なぎ的なものを投䞋ヌ。
プロットは倧事だなぁず実感したしたよ、ずっおも。


「では、行っおらっしゃいたせヌ」

䞀般的な背䞈では、背䌞びをしおも遥かに届かない鉄柵。
足元に敷かれた石補の敷居は、倧型の貚物車でも䜙裕で入れそうなほどの幅がある。
そこに居るのは、二人ず䞉人。
合わせおたった五人ばかりには、その屋敷の門はあたりにも広かった。

「芋送りありがずう。翡翠、琥珀さん」

そう蚀っお、県鏡をかけた少幎は二人の少女に向かっお手を振ろうずする。
が、その䞡手はどちらも䞊がらなかった。

「    」
「    」

巊右の手にはそれぞれ䞀人ず぀、幌い少女がくっ぀いおいるのである。
巊の手には、癜いリボンず服の少女。
右の手には、黒いリボンず服の少女。

「えっず。二人ずも、䞀旊攟しおもらえないかな  」
「    こくん」
「ああ、埡免なさい」

それぞれ普通に離れる、癜黒二人の少女。

「もう、志貎さんっ」

それを芋お、芋送る偎の少女の䞀人が口を挟んだ。
小さい子䟛をめっ、ず叱るような口調が、家庭的な雰囲気をかもし出す割烹着ずいう
服装にずおもよく䌌合っおいる。

「せっかく繋いでくれた女の子の手を、そのように振りほどくなんおいけたせん。
  たぁ、どうせこの埌存分にお繋ぎになるんでしょうけど」
「琥珀さん、からかわないで䞋さいよ」
「いえいえ。特に癜いレンさたなんお今、わざわざ黒いレンさたがお攟しになっおから———」
「え」
「こヌはヌくヌッ」

割烹着少女の饒舌を、少幎の巊手偎。癜いほうの少女が食い止めた。
怒鳎り声には違いないが、その顔の赀さはただ怒っただけのものにしおは少々赀すぎる。
くすくす、ず割烹着の少女が埮笑んだ。

「ふん ほら、行きたしょう志貎」
「え、あ、うん」
「あの、志貎さた。お垰りは䜕時ごろになるのでしょうか」

今床は芋送る偎の、もう䞀人の方の少女が割り蟌んだ。
割烹着ずいう東掋的なものずは正反察の、正統たる西掋のメむド服を着蟌んでいる。
それはきりっず、毅然ずした圌女の口調に、これたた良く䌌合っおいる。

「ああ、そうか。えっず  暗くはならないうちに、かな。でも䜕時かは分からないから、
 今日は垰りに出迎えずかしなくおいいよ、翡翠」
「かしこたりたした」
「いっおらっしゃいたしヌ」

メむド服の少女はおじぎ。
続いお割烹着の少女は手を振り、少幎ず癜黒の少女たちを芋送る。
それは、䞉人の姿が芋えなくなるたでしっかりず続けられた。

「———で、今日買う掋服ずいうのは䜕凊に売っおるの」

少幎の手は、片方が癜い少女に匕かれ、もう片方には黒い少女が匕っ匵られる圢で
ひっ぀いおいる。
ただ二十にもなっおいない少幎の倖芋を考慮に入れおも、その光景はほずんど嚘二人に
な぀かれおいる、父芪か䜕かのようにしか芋えない。

「そうだなあ、䜕店かピックアップしおきたんだけど  ちょっず、離しおくれるかな」

ポケットから、手のひらサむズのメモ甚玙を取り出す少幎。
それを巊右の至近距離から陀きこむ二人の少女。

「ふうん、どれ」
「    じヌっ」
「いや、二人ずも、歩きにくいから  」

午前十時、本日は晎倩なり。

䞉人のお買い物は、始たったばかりです。


.

[匿名さん]

#9082005/12/01 18:40
「  秋葉に聞いたのが間違いだった」

店の正面に到着しおから、少幎は自らの無蚈画ぶりに埌悔した。
たあこれは蚈画倖ずいうより蚈算倖ず蚀うべき事態であり、少幎に萜ち床があるわけでは
ないのだが。

あい぀、い぀もこんな所で買っおるのか  

県前にあるのは、初めお芋たら屋敷か城ずしか思わないだろ、ず真面目に蚀えるほどに
倧きく豪華、煌びやか、そしお厳かな——— 䞀応、掋服店なのだった。
入り口ひず぀取っおも法倖に広く、門前で少幎ず二人の少女が固たっおいおも、党く
邪魔にならないほど。

ここで買える服っお、䞀䜓幟らするんだよ  

少幎は、あんぐりず間抜けに口を開いたたた。
これだけの城———いや店なら、服の倀も、もちろん建物自䜓も、おそらく飛び出た目玉が
壁にぶ぀かっおグチョッず朰れるくらいのものであるこずは間違いない。

「あら、凄く玠敵なお城じゃない。歀凊なら私に合うものが芋぀かりそうだわ」
「    うずうず」

そのような䟡倀芳を知らない二人は、圓然ながら気楜なもの。
呑気に蚀っおくれる癜い少女に、少幎ず同じく驚いおはいるものの、むしろ明らかに
感激の意味合いの方が匷そうな黒い少女。

た、参ったなぁ  

そんな二人に挟たれながら、少幎はどうにも困惑しおいた。
たず私服のポケットから財垃を取り出し、確認する。
䞀、二、䞉、四、五、六    二十。
はち切れんばかりの壱䞇円札たち。加えおサむドポケットには、金色に食られおいる
目の前の店の銘柄が入ったカヌド。
先日、このサむフを枡された時に秋葉ずいう名の効に蚀われた

「女の子はこれくらい䜿うものなんです」

ずいう蚀葉の意味を、少幎はここにきお初めお理解した。

そしお、少幎の苊悩は金銭的なものずは別にある。
目の前には、うっかりするず未だに倖囜の城に芋えかねないほどの、超高玚掋服店。
かたや、少幎の栌奜は  䞊はロゎ入りシャツ、䞋はゞヌパン。
䞀応シャツはブランド物、ゞヌパンもビンテヌゞで安くはないが、パッず芋では平凡そのもの。
芁するに。
ものすごく、堎違いなのである。

「倱瀌ですが」

そこぞ、少幎にだけハッキリず聞こえる皋床、いわゆる呚囲の人を気遣った『倖での声量』で
真埌ろから、明らかに女性のものず分かる声が掛けられた。

いくら倧きかろうず䜙裕があろうず、入り口は入り口。
そこぞ䞉人しおずっず突っ立っおいれば、目に぀くのも、邪魔ず思われおしたうのも仕方ない。
少幎が即座にそう悟り、振り返っお謝ろうずしたその時。

「ああ、すみたせ——— ん」
「どうしたのです貎方が本日でなくずも、このような堎所に蚪れるなど、私の蚈算
 には党くもっおありたせんでした」
「し、シオン」

シオン。それは少幎の 友人の名前である。
足に届くほどの䞉぀線みに、いかにも倖人らしい圫りの深い顔立ち、玫を基ずした可憐な装い。
手には目の前の店のロゎマヌクが入った、掋服䞀匏皋床が入りそうな袋を䞋げおいる。
急に名前を声高に叫ばれたこずで、その少女は少し顔をしかめた。

「志貎。このような堎所で無意味に叫ばないで貰いたい。ただでさえ女性甚の掋服店の
 前では、貎方のような男性は目立぀のですから」
「ああ、ごめん  っお」

———ゞョ、セむ、ペり

「こ、ここ女性専甚の店なのか」
「  流石です志貎。貎方はい぀も私の予枬を色々な意味で芆す」

はあ、ず。
その可憐な雰囲気にずおもよく䌌合う呆れ方を、䞉぀線みの少女は向けた。
そんな事ずは別に、少幎は気が気でない。

か、考えおみれば圓然だよな  

そもそも効、぀たり女の子が、少女二人のためにず玹介した店。そこが女性専甚である
こずは普通にありうるずいうか圓たり前だし、別におかしい事ではない。
そしお、向こうは普通にそう思っおいるわけだから、事前に蚀わないのも圓たり前。
文句を蚀える事でもない。
たあ、薊められたからには女性甚だからずいっお男性犁制ずいう蚳では無いだろうが、
これでたすたす少幎の堎違いっぷりは深たっおしたった。

[匿名さん]

#9092005/12/01 18:40
「ちょっず志貎。い぀たで入り口に立っおるの」
「    ぐいぐい」

呆けたたたの少幎の袖を、店にひずずおり感激し終えた癜黒二人の少女が匕っ匵っおきた。

「圌女たちは———」
「ああ。ちょっず事情があっお  そうだ、シオン」
「」

少女は䞀瞬、険しい目぀きになりかけたが、すぐに少幎の疑問のほうに振り向いた。

「君、ここに服買いに来おるんだよな」
「え、ええ。この囜では私のような服は、仕立おお貰わなければ手に入りたせんから」
「䜕もそこたでしおその服にこだわらなくおも  」
「䜕か蚀いたしたか志貎」
「あ、いや。ちょっずお願いがあるんだけど。この二人の服さ、適圓に芋繕っおあげお
 もらえないかな」
「  は」
「俺じゃ女の子のセンスっお分からないし、䜕よりこの栌奜じゃ堎違い———」
「志貎」

ず、少幎の蚀葉は唐突な倧声によっお、芋事なたでにぶった切られた。
その音量は䌚話に割り蟌むだけでは飜き足らず、呚囲を歩く人の目線たでも次々ず
独り占めにしおいく。
䞭心点に居るのは、癜い少女だった。

「あ いえ、ご免なさい。急に怒鳎ったりしお」
「いや、いいけど  」

こほん、ず。
たずは䞀呌吞眮き、呚囲の芖線も逃がしたずころで、癜い少女は再び少幎を睚みだした。

「志貎」
「    じろり」

その傍らでは、黒い少女たでも睚み぀けおきおいる。

「ど、どうしたの」
「もう、どうしたもこうしたも忘れた遞ぶのは私達だけれど、み 芋るのは志貎なのよ。
 誰かに頌むなんお、ふざけおるのちゃんず䞀緒に付き合っお頂戎」
「    こく、こく」

たくし立おに合わせお、黒い少女も䜕床も頷く。
䞉぀線みの少女も、䞀人こくんず頷き、癜い少女に蚀葉を繋げた。

「ず、いう事らしいですね」

くるり、ず少幎に背を向ける。

「生憎私は以前、貎方に服のセンスを疑われた事もありたすし。これ以䞊力になれる事は
 無いでしょうから、倱瀌したす」
「あ、シオンちょっず埅っ———」

すたすたすた。
倖芋通りに可憐な足取りで、䞉぀線みの少女は足早に去っおいった。
その䞀歩ごずに長い䞉぀線みず、脇にかかえた包みがリズムよく小刻みに揺れる。

「たったく。本圓に、志貎は倉わらないのですね  」

結局少幎は、店に入っおからもしばらく二人の少女に睚たれ続けたのだった  


.

[匿名さん]

#9102005/12/01 18:41
「ほら志貎、これなんお良いでしょう」
「    もじもじ」

店内、個人甚の詊着宀。
そのカヌテンが開くたび、そこには異䞖界か少女挫画にでも迷い蟌んでしたった
のかず思うほどに綺麗で、可愛らしく、埮笑たしい少女二人の姿が連続しお珟れた。
矎しい者は䜕を着おも矎しいずいうが、矎しい者がさらに矎しいものを纏った時には
ここたで光り茝くものかず、偶然埌ろを通りがかった客の䞀人䞀人にすら思わせる。
しかし圓の、特等垭にいる少幎はずいうず。

たあ、ただ可愛いっお蚀う方が合っおるず思うけど  

などず、埌ろの客に聞いたらぶん殎られそうなこずを考えおいるのだった。

「    ぐい、ぐい」
「ちょっず志貎、ちゃんず芋おるの」
「あ、うん、倧䞈倫だよ」
「本圓なら次は———」

ふぁさっ。
唐突に、カヌテンを開いたたた癜いコヌトが床に萜ちた。

え 

それに呆ける暇もない。
萜ちたコヌトの䞊に、次々ず癜い召し物が重なっおいくのだから。
スカヌト。ブラりス。ブヌツ。゜ックス。

「ほぅら。志貎、これならどう」

先皋たでそれらに包たれおいた身䜓が、党おの包みを萜ずしおそこに立぀。
最埌にリボンがするりず解かれるず、たるで翌のように髪が柔らかく解け広がった。
隠しようもなく、あらわになった癜い肌。
もはやそれは、厭らしさなど遥かに超え、矎しく幻想的。劖粟のような肢䜓であった。
そうしお䞀歩ず぀、少幎に向けお歩み始める。

「ちょっ、ちょっず埅お癜レンお前䜕やっおるんだこんな所で」
「こんな所こんな所ずはどんな所なのかしら」
「どんなっお、呚りには普通に人も———  」

居ない。居なかった。
平日、しかもここたで厳かな高玚店には人など芋圓たらないこずも珍しくはないのか。
本圓に、狭い芖界を粟䞀杯芋回しおも、人ず呌べるものは䜕䞀぀入っおこなかった。

「でしょう歀凊には今、貎方ず私達、䞉人きり」
「    こくり」
「さあ、思う存分楜しみたしょう  」

埌ずさり———は座っおいたせいで出来ず、代わりにバランスを厩し、瞊長の怅子に沿っお
寝転ぶ圢になっおしたった。
その長怅子をたるでベッドのように扱いながら、癜い劖粟は少幎に身䜓をそっず重ねおいく。
党身に染み枡っおくる、幌くも理想的に敎った、䞀点の穢れも芋圓たらない無垢な柔肌の感觊。

いっ  

少幎は、真剣に、劣情を催した。
子䟛ずいう理性の最埌の拠り所である単語など、即座に消し飛ばされそうな皋に熟烈。
重なりあった胞から、どくっ、どくっ、ず䌝わる錓動は、埐々に少幎のものず同調しおいく。
こちらが早くなれば、あちらも早く。
あちらが早くなれば、こちらはなお早く。

どくっ、どくっ、どく、どく、どく、どく————

「    ちゅっ」
「」

曎に、それは枕元。
少幎の顔の傍らで、既に䞀糞纏わぬ姿ずなった黒い少女が、手で芆い尜くしおも党く足りない
ほどに顔の党おを玅朮させながら、頬に寄り添い、深い口付けをしおきおいた。

う、ぐ  

実際、少幎からはどちらも顔しか芋えないずいうのに、その顔だけで支配される。
本圓の釘付けずは、こういうものなのか。黒い少女から、接着したように目が動かない。
それを芋䞋ろす癜い少女は、䞍服そうな衚情でたすたす身䜓を重ねおくる。

「志貎ったら。レンばかり芋おないで、私も  ね」
「あ う 」
「それずも、ココも芋ないず盛り䞊がれないのかしらせっかちさんね」

たるで子䟛をあやすように蚀うず、その䞡手はゆっくりず癜い肢䜓の衚面を滑っおいき
腰の䜍眮たで䞋がっおいく。
そしお、最埌に残された癜い䞋着ぞず指がかかっお———


.

[匿名さん]

#9112005/12/01 18:42
「う、わあぁああああああ」

店内に響き枡る倧声。
それは、人数こそたばらだが、店倖でやるよりもいっそう匷く呚囲の芖線を集めた。

「お、お客様。どうかなさいたしたか  」

その䞭から、女性の店員がおそるおそる近付いお来る。
女性甚の掋服店、そこで雑な栌奜をした男性がいきなり絶叫。
この女性店員の勇気ず仕事意識は、䞭々のものず耒めおあげたい。

「あ、䜕でもないんです。ごめんなさい」
「そ、そう  なら良いけど。店内では静かにね、お嬢ちゃんたち」
「はヌい」
「    こく、こく」

可愛らしい子䟛二人の、無邪気な笑顔。
それは、ある意味険悪な雰囲気にすら包たれそうになっおいた店内を浄化するには、
十分か぀最適なものだった。
䜕せ客の䞭には、蚭眮しおある電話に走りかけた人も居たほどである。
そうしお呚囲の芖線もたばらになっおいくず、泚目を集めおいた少幎も我に返り始めた。

「え、えっず 」
「あヌあ。たさか起きおしたうなんお」
「    しょんがり」

癜黒二人の少女はたるで、いたずらを倱敗した子䟛のような呑気さで残念がる。

「いや、起きおしたうっお  たさか」
「あら、決たっおるでしょう。志貎ったら、私達が服遞びから垰ったら寝ちゃっおるんだもの」
「    じずヌっ」

うぐっ  

「あんたり気持ち良さそうだったから、起こすのも可哀想だず思っお。ねえ」
「    こくん」
「思っ、お」
「もっず気持ち良くしおあげたのよ」

本圓に、䜕でもない事のように癜い少女はさらりず蚀い切った。
傍らの黒い少女も、蚀葉が無いだけで同じだず瀺すように、こくこく頷いおいる。

「          」

頭痛が、いたい。
すごく、激痛。
少幎は䞀人その堎で、がっくんず頭を抱え蟌んでしたった。

だ、だからっお あんな  

ず蚀いたいが、圓然そんな蚀葉を返す資栌など少幎には皆無。
確かに付き合っおいるうちに 長怅子などに座っおいたのも悪いのだろう。
寝おしたったのは、明確な事実であり、申し蚳も立たない事なのだから。
  ずはいえ、少幎に同情の䜙地が無い蚳ではなかった。

[匿名さん]

#9122005/12/01 18:42
「———ほら、これも䌌合っおるず思わない」

寝るよりも前。
少幎は、はっきり蚀っお疲れ果おおいた。
元々䜓力に自信などたったく無いが、䟋えあっおも同じだろう。
䜕故なら。
やいのやいの蚀いながらカヌテンを閉め実際に蚀っおるのは癜い少女だけだが、
次に開かれた時は、そのたびに異䞖界のように可愛い二人が繰り広がる。
  それはいいずしお、その繰り返しを少幎はもう四時間近くも味わい続けおいた。

時折、自分の背埌で䞍自然に立ち止たる男性を譊戒したりもしなければならないから、
実のずころ心が䌑たる時がない。
長怅子に座っおはいるものの、その尻も痛み、さらには麻痺するほどの長時間。

ど、どうしお女の子っおのはこんなに服を芋続けられるんだ  

そんな疑問が湧くのも、シャツにパン皋床でOKずいうずがらな少幎からすれば
圓然のこずで、か぀氞遠に解けない呜題なのは違いない。

そうしお加えるこず玄䞀時間。
冬至は遠いため倖は未だ明るいが、䞀床暗くなり始めればずおも早い。
明るい街䞭を通るずはいえ、自宅呚蟺は人気もなく薄暗い、危険な堎所。
そんな動機の数々を自らに蚀い聞かせ぀぀、少幎は意を決した。

「あ、これも詊しおみようかしら」
「よし。じゃあ、それを最埌にしお今たでの䞭から遞んで。それで、今日は垰るぞ」
「えっ——— もう」
「    がびヌん」

もう、っお  

カヌテンで芋えなくずも、明らかにがっかりする二人の顔が浮かぶ。
先ほどたでずうっお倉わっお、挏れおくるのはどんよりずした空気。
それは、疲匊しきった少幎の心にもさすがにチクリず響いおくる。

「仕方ないな  それなら、もう䞀組だけ遞んできおいいから」
「本圓志貎っお優しい」
「    ぱあぁっ」
「それで最埌だぞヌ」

蚀うが早いか、二人はさっさずカヌテンを開けお行っおしたった。
詊着宀の前、長怅子にひずり取り残される少幎。

やっぱり子䟛、だよなぁ 

普段の、特に癜い少女のほうの可憐で繊现な態床が思い浮かぶ。
比べお、今の沞ききった姿。その二぀を思い比べお、少幎は䞀人で埮笑んだ。
長怅子に座りながら䞀人くすくす笑っおいる少幎は、おそらくかなり䞍気味だろう。

しかしそんな楜しみも、䞀段萜すれば途端に眠気ぞ。
座るずいう行為は、本来なら疲れを取るためのものだが、その回埩速床を䞊回る早さで
疲匊が溜たっおいけば、長怅子は途端に手ごろなベッドぞず早倉わりしお———


.

[匿名さん]

#9132005/12/01 18:43
「———で、結局溜たりきった眠気はごたかせなくお  」
「寝ちゃった、ですっお。玍埗できる、レン」
「    ふるふる」
「ゎメン、悪かったよ  」

垰り道、路地の暗がり。
二人の少女に挟み打ちで睚たれながら、少幎はずがずが党員分の荷物をかかえお
歩かされおいた。
もう空の䞻圹は、完党に月のものになっおいる。
垂街から䞀぀離れた奥地ずいえるこの呚蟺は、賑やかさこそ皆無だけれど、冷たく静か、
そしおどこたでも黒い倜の闇は、奇劙や恐怖などずは違い、どこか高貎を感じさせる。
垂街のフラッシュロヌドも良いが、これはこれで味わい深いものである。
䞀本道の終点にそびえるのは、今朝方ぶりの巚倧な屋敷。

「あ、お垰りなさいたせヌ」
「あれ琥珀さん」

着いた屋敷の正門には、割烹着を着蟌んだお手䌝いさんの姿があった。
淡い灯に照らされたその笑顔は、い぀もにたしお枩かく芋える。

「たさか、埅っおたんですか出迎えはいいっお蚀ったのに」
「いいえ、䞁床いた裏庭のほうに行っおきた所でしお。私も垰り道なんです」
「  」
「癜レンさたも、お垰りなさいたせ」

にょいっず。
わざわざ、正面から芗き蟌むように割烹着の少女は呌びかけた。
癜い少女は䞀瞬びくっずするが、すぐに毅然ずした顔に戻る。

「た、ただいた。  よね」
「そう、ただいた」

蚀っお、少幎はぜんっ、ず癜い少女の頭に手を乗せた。
ただいた。
それは、癜い少女にずっおは慣れない蚀葉。そしお、有り埗なかった蚀葉。
でも今は、こうしお垰っおくるのがこの屋敷であり、それを圓然ず蚀うこずが出来る。

「ねえ志貎、早く服を着おみたいわ。郚屋たで来お頂戎」

自芚など無くおも、それは確かに圌女が埗られた幞せの䞀぀なのだ。

「いいけど、たずは倕食を食べおからかな」
「あ、そうね  考えおみれば随分ずお腹も空いおいるし」
「うん。なら、先に行っおおいいよ。俺は門の斜錠ずか少しやる事あるから」
「そうならお先に。早く来なさいよ、志貎」

たったったっ。ず足早に、癜い少女は屋敷の扉ぞず走っおいった。
黒い少女も、い぀の間にか猫の姿になっお、トコトコず埌ろを぀いお行く。

[匿名さん]

#9142005/12/01 18:44
———そうしお、正門の前には割烹着の少女ず、県鏡の少幎が残った。

「楜しかった、ですか」

暗くなるのは早い。
もう倜空はすっかり煌く星空に倉わり、蟺りは静寂に包たれた倜の庭園。
こういう時に感じるものの䞀぀を、颚情ず呌ぶのかも知れない。

「たあね。少し  いや、かなり倧倉な目には遭ったけど」
「ふふ、それはそれは。倧倉結構なお楜しみだったのでしょうね」

  たさか、分かっお蚀っおるんじゃないだろうな、この人

もちろん、それはありえない。
しかしいざ思い出すず気恥ずかしくなり、少幎は少女から目を逞らした。

その先でパッず、はるか小さい屋敷の扉が淡く光る。
お垰りなさいたせ、ただいた。そんな圓たり前のやりずりが、あそこではもう䞀床
改めお、亀わされおいるのだろう。
少幎は芖線を少女に戻すこずなく、少女もたた屋敷の方を芋たたたで続けた。

「やっぱり、あの子が䞀番楜しそうでしたね」
「ええ。気難しい所もあるけど、癜レンもだいぶ慣れおきおくれおるず思うな」
「たあ志貎さん限定なのが、ちょっず惜したれる所ですけどねヌ」
「え、そうなんですか  」
「ふふ。今床こっそりお芗きになっおみたす」
「いや、いいですたた監芖カメラ増やしたな、この人は  」

くすっ、ずふざけるように笑う割烹着の少女。
それを苊笑いで、しかし目ではしっかり埮笑みながら受け止める、県鏡の少幎。
そんな二人の間を、䞍意にざあっず颚が吹き抜けた。足元を芆う草も、少幎の裟も、
そしお少女の髪も、等しくなびいおはたた戻っおいく。
その颚は、ほんの少しの冷たさが混ぜおあった。

「 倏も、もう終わりですねぇ」
「 そうですね」

こうしお吹き抜ける倜颚も、ただ暑さの残るうちはやはり小気味良く。
豊かに草朚が茂る庭園からは、どこからずもなく虫の鳎き声が響き始める。
二人は、蚀葉をやめた。
向き合うこずなく䞊んだたた、その身を包む晩倏の愛撫を、ただ静かに感じた。

今日ずいう日はもうすぐ終わり。
それが続けば季節も終わり、幎も終わる。
そしおいずれは、こうしおいられる時すらも  

「    」

それは、どちらが先に思っただろう。
もう少し。
もう少しだけ、このたたここで、こうしおいたいず———

「志貎さん」
「はい」

でも、ずりあえず今は切り䞊げ。
明るく暖かいあの屋敷には、自分を埅っおいる子達がいるから。

「お垰りなさいたせ」
「ただいた、垰りたした」

軜く笑顔を合わせるず、二人はそれぞれの歩調で屋敷に向かっお歩き出した。

「ちょっず志貎、遅いわよい぀たで埅たせる぀もり」
「ごめんごめん、今すぐ行くよヌ」
「ほら志貎さん、急いで急いでっ」

午埌䞃時半。今倜は星倩なり。

遠野家の平和は、ずりあえず今日も安泰です。


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[匿名さん]

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