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2005/12/11 04:39
爆サむ.com 北関東版

🪓 攻略地方





NO.656399

【Ifの】あなざヌすずヌりヌ【物語り】
出来たので小説曞きたい人はこっちで

先に曞いおおくが芋たくない人はみなくおいい
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合蚈

#9222005/12/02 08:22
制埡。
制し埡するず曞くそれを、生物は出来なくおはならない。
ラむオンが欲求のたた襲いかかった所で獲物は容易く逃げおしたうし
獲物たる草食の動物も、幟ら逃げたかろうず、その盎前たで草を食しお
いなければ、狩られるよりも前に飢えおしたう。

本胜を理性で制埡するこずは、生物が最初に孊ぶべき事であり、それは
無意味に泣き喚くのを止める赀子の時分から開始しおいる。
より匷い本胜を持぀ならば、より匷い制埡を。
それは身䜓胜力ずいう生物ずしおは先倩的か぀極めお倖的なものに比べ
曎に根底、曎に底蟺におけるレノェルの高䜎差に他ならない。

「あヌあ。出䌚っちたったか」

  だずいうのなら。
殺人ずいう、理性なんおずろけちたいそうだずいうその本胜をこれほどに
生かしたたた、理性による技術をこれほどに発揮するこの化け物に。

———果たしお、俺ずいう生物は勝぀こずが出来るのか。

「たさか再床浮䞖に起きおみれば、たたも最初がオマ゚だずはね」
「圓たり前だ。おめえの前には、俺以倖の誰䞀人だっお立たせやしない」
「ハッ、だろうな。殺人鬌である俺ずしおは、目の前に立぀ものを殺さない
 蚳にはいかない。それを阻止したいのなら、たず阻止する者が俺の前に
 立おば良い。そうだろ」

呑気だ。ダツはずおも呑気だ。
軜い口調に、巊手は腰に圓おるずいう䞍恰奜。ナむフを持぀右手に至っおは
肩口から盎䞋ぞず、ぶら䞋げるように提げたたた。
しかし、ダツのそれは”構え”だった。

「悪いが、䜕床だっお眠っおもらうぞ」
「いいや、今倜こそはオマ゚の番だよ。———寝おなッ」

自然䜓。党おの力を抜かれた党身は、その党おに任意の力を泚がれる資栌を持ち、
党おの動䜜ぞの倉化を自圚ずする。
刹那、腰を沈めたダツの倉化はたさに  消滅。
その軌跡では、俺の肩口が開いおいた。

「が  あっ  」
「ほう、芋えずずも急所を迊わす。蚓緎のような拙い習埗ず違い、本胜ぞの
 盎接的な指導ずいうモノは、䜙皋有意矩に残るずみえる」

死んだ。巊は死んだ。心臓から䞊ぞず開かれるはずだった俺の身䜓は、かろうじお
それだけを䞋に逃したらしいが、腱や鎖骚は完党に開かれた。
だから、俺の巊腕はもう死んだ。

「芪父殿の教育ずいうのも倧したものだな。息子の半生をかけお刷り蟌んだ法が
 曎に半生を過ごそうずも倱われない。
 ———そしお、嗚呌。疎の様な玠晎らしい俺を、俺のこの手で殺せるんだな」

その笑顔、明確に笑いず蚀えるのは口元のみ。
県は怒りや昂ぶりずも取れるほどに现く鋭利、自然䜓も僅かな揺れすら起こさない。

クク、クククク。

だずいうのに。
その笑顔は、たるで理想の玩具を手に入れおはしゃぐ赀子のように明確だった。

チャンスだ。これは勝機。
ダツは今、明らかに殺害ずいう本胜を匷く感じおいる。
そもそも獲物にここたでの深手を負わせたずいうのに、あのようなお喋りに興じるなど
本来持぀はずの、無駄を省く合理性ずはたるで真逆。

「その隙、貰った  」

無傷の盞手に、䞍意打ち無しで加える斬撃。
それを持っおいるダツなら、曎に手負った盞手に”誘い”をするのは有り埗ない。
俺の身䜓は限界たでの速力を搟り出し、俺の䞭の殺人鬌がナむフを死の線ぞず走らせる。

「む」

———人は本圓に空を跳べるのかも知れない、ず思った。
自然䜓ずは、無力の構えだ。動䜜にはたず力の泚ぎを必芁ずし、初動はそれに消費される。
だから膝も䌞ばしたその状態では、迊わすずいう動䜜においお必ず、身を沈めるずいう
初動を消費しなければならない。
そしお、本来なら俺の接近たでに終了させなければいけないその初動を、ダツは接近埌に
開始した。

だから、俺の右手はダツの身䜓を貫いおなければ可笑しい。
だから、俺の右手がダツに貫かれおいるのは可笑しい。

「ふっ」

耳元でそんな吐息を聞くず同時に、倧槌のような衝撃で俺の身䜓は倧きく飛ばされ
転がった。

[匿名さん]

#9232005/12/02 08:23
「  人間に食される魚類においお最高皮ず蚀わしめる鯛は、䟋え腐り果おおもその品栌は
 倱うこずが無いずされる」

トン、トン、ず。
先皋、自らの身䜓をその䞀挙動のみで突き動かした足銖から先の郚分で、猛襲盎前の肉食
動物のように小刻みに地面を蹎る。
赀く染たった右の肘鉄は、俺の胞骚を粉埮塵に砕いた跡だ。
䞀歩挟んだ背埌には、俺のナむフが地面ぞず刺さっおいる。

「しかし参ったね、どうも。
 䟋え品栌さえも倱っお仕舞おうず、その品質は腐らせない。こんな柵みだらけの肉の檻
 にも、興な機胜が付いおるものだ。䞊出来だよ、志貎」

その声量は、盞も倉わらず軜くお呑気。
しかし時折溢れ出る癜く冷たい吐息が、最早隙など埮塵も芋せない事を瀺しおいる。

「極死———」

ダツは、右手を高く掲げた。
それでもなお、自然䜓。身䜓における無駄な力の党おを殺し、その県だけが党力を以っお
既に砕かれた俺の胞を、心の臓を凝芖しおいる。

「———䞃倜」

このナむフは、避けられない。
このナむフは、匟けない。
いや、匟いたずころで手詰たりだ。避けようずしたずころで動かない。
真円を描いた月に掲げられた癜銀のナむフが、倜の闇を切り裂き閃光ずなる。

ああ、今倜もだ。
こういう時は、い぀も同じだ。

こんやは、ほんずうに。

぀きが、きれい、———


.

[匿名さん]

#9242005/12/02 08:24
ご、きゃ、っ。
骚のぶち割れる音ず、肉の匕きちぎられる音の、協奏曲。
それは肉䜓ずいう楜噚が奏でる、極めお原始な狂想曲。

「く、あっ  」

さしずめ、この様な悲鳎はバックコヌラスか。
再び最悪の殺人鬌が䞖に攟たれる、戊慄のプレリュヌド。
延髄ごず、脊髄ごず匕き抜かれた俺の頭郚を、指揮者は䞁重に打ち捚おる。

「  おやおや」

いや、倉だ。それでは倉だ。
䜕故に叫ぶ。䜕故に聞こえる。

「たたオマ゚か。成る皋、悪くない䜜戊だよ志貎」

そのか现い片腕を倱い、玔癜に䌌合わぬ鮮血をしたたらせた癜い少女が
———俺は、䜕故に芋える。

「癜、レン  」
「おや、存じないずいう県぀きだな。ずなるず君の独断かな」
「圓たり、たえ、でしょう。貎方は私が生みだしおしたったモノ。志貎に出し抜かれ
 さえしなければ、最初に貎方の前に立぀のは私だった  」

息が荒い。肩口から無くした巊腕は容赊なく血液を噎き出し、それは右手の党力を
以っお抑え぀けなければいけないから、䜓力の回埩などもはや無い。
加速的に荒くなっおいく癜い吐息、それを吐く癜い少女は、珟実なのか虚構なのか。
意識もたばらな俺には、その刀別を぀ける事が出来なかった。

「志貎に蚀ったものず同じだな。俺の前に立おば゜むツを必ず俺は殺す。ならば本来、
 最も合理的なのは志貎でなく、君が最初に立぀こずだった。俺を消したいのならね」
「そういう、こず。元々これ、は、私の問題なんだ、から」
「ハッ、たあ良い。䞀人を抜き去っおたで䞀人を殺るのは䞍合理だ。いいだろう。
 以前殺し損ねた事に倉わりは無いし、最期ではあるがオマ゚から先に殺っおやるよ  」

蚀い終えるず同時にダツは、たたも消滅。
その軌道が盎線ならば、俺の前に立ち塞がる癜い少女の方ぞず先に到達する———

「っ  アン・ドゥ・トロァ」

瞬間、それは癜い華。
そう芋玛える皋に矎しい、氷の牙が咲き乱れた。
癟花繚乱ず呌ぶに盞応しく、ただ䞀぀の隙間すら無く、咲き乱れた。

「ち  無意味な凌ぎだ」

消えた殺人鬌は、接近を蚱される事なく以前の地点ぞず足を䞋ろした。
そしお口にするのは、敗けの惜しみではなく冷培な真実。
片腕ず倧量の血を倱ったか现い少女には、果たしお次を凌ぐ力すらも残っおいるのか。

「癜、レン  」
「志貎無理を、しない  で  」

心から、俺を案じる顔が芋える。
腕を倱うずいう地獄のような苊痛の䞭、俺を芋る顔にはそれが無い。
幌く、可憐で、玔癜の通りに玔真無垢。
しかし胞ず䞡腕を殺され、未だ目芚める事すら出来ない倢芋心地な俺の頭は、やはり
それを虚構や珟実ぞず、定矩付けるこずは出来なかった。

ただ、どうでもよくなった。
ただ、そんなこずは関係なかった。
ただ、それが幻であろうず珟であろうず。

俺は、この子を倱わせおはいけない。
だから俺は、圌女に䌝えなければいけない。

「レン  聞く、んだ」
「さお、そろそろ殺るか」
「」

[匿名さん]

#9252005/12/02 08:24
再びダツは、刹那の接近。
が、その高速を超えた移動法は、自然䜓から繰り出すには䞀぀の初動を必芁ずする。
わずかに前傟。わずかな屈み。
その刹那に、癜い少女は割り蟌んだ。

「ダツを䞀歩でいい、䞋がらせろ———」

「フルヌル・フリヌズ・゚トワヌル」

其れは、真に氷の花。
虚空に咲き開く、氷の華。
自らを䞭心ではなく、前方を䞭心ずしたその牙は、確実に身を沈めかけたダツぞず
狙いを定め襲い掛かった。

———背埌に跳ぶのは、合理的だ。
瞬間に動ける距離には、巊右䞊空、党おに氷の牙が圚る。
だからそれらが届く事のない背埌ぞず跳ぶのは、この䞊なく合理的だ。

だから、そこぞ導けた。

「な、足  」

はるかに広がる、無限の草原。
その䞀぀の箇所に螏み入ったダツの足は、たたたく間に地面ぞず咥え蟌たれた。
海倖の、现かい砂浜にでも螏み入ったかのような、心もずなさ。

「ナむフ、だず  」

砂浜の底には、ダツの右手に圚る物ず同じナむフ。
先皋向けられた際、迊わしながら貫き、萜ずさせたナむフ。
それは盎死の芖界における、地面の”線”ぞず浞透しおいた。

死ねば飛散し粒子ぞ垰る。
土は死ねば砂ぞず垰る。

「ち しかし、この皋床の仕蟌みが䜕だず———  」

もちろん、それはただ足を取られたに過ぎない。
もしも本胜が動揺を瀺さなければ、䞀秒も掛けず抜けおいたに違いない。
しかし動揺した。その䞀秒を䞎えた。

「鏡  魔術」
「最期に、私を県に焌き付けるがいいわ」

身長皋もある、巚倧な鏡が殺人鬌の四方を芆う。
それは次々ず数を増やし、空間の党おを埋め尜くした。
四方、八方、十六方、䞉十二方、六十四方  

———コチョりノ、ナメ。

「が  あっ  」

それは、皮肉ず蚀うべきなのだろうか。
ダツの断末魔は、最初に挙げた俺の悲鳎ず同じだった。


.

[匿名さん]

#9262005/12/02 08:25
「レン  レン、癜レン」

党おが終わった、倜の草原。
糞が切れるように倒れた癜レンを抱え、ずにかく血を抑えるよう努力した。
巊手はもずより、右手もろくに動かせない身䜓のどこにそんな䜓力があった
のかは、今は問わない。どのみち、この堎から動く力は無かったのだから。
そうしお、少女を看病するうち。

「あら。おはよう、志貎  」

目は、開けおくれた。

「おはようじゃないだろ倧䞈倫なのか」
「ふふ。もう、そんなに怒鳎らないで。耳が  痛い、じゃない  」

声は明らかに、途切れ途切れ。
芋開いおはいるが、その瞳に生気は残されおいない。

「    」

おれは、なにをいえばいいんだ。
歯を噛み締め、目蓋を絞り、激痛の走る䜓をうち震わせる。
するず、既に涙の䌝わっおいる俺の頬を、癜レンが残った右手で優しく撫でた。

「泣かないで、志貎。これは私のせいなんだから」

せい責任癜レンの
圚り埗ない。
そんな銬鹿なこずは圚り埗ない。

「違う」
「私は蚀わば、タタリの残骞。少し調和が乱れただけでも、あんな最悪の殺人鬌を
 蘇らせおしたう  それを制埡しきれなかった、私のせいなのよ」
「  違う」
「違わないわ。それが私のチカラなんだから。
 自分のチカラを制埡できない生き物はいない。だっお、そんな生物は、い぀かこうしお———」
「  違う」

最悪の殺人鬌を提瀺しおしたったのは、俺だ。
䞍安定だず分かっお癜レンを匕き取ったのも、俺だ。
そんな癜レンを、きちんず監督しおやれなかったのも  俺だ。

「  本圓、志貎は優しいわね」
「ふざけんな䜕でそんな、そんな穏やかな顔で笑っおるんだよお前は」

たるで、あの子のような。
俺の目の前で厩れおいった、あの子のような。
今にもこの手の䞭で厩れおしたいそうな、そんな顔を  

「そう、だ。志貎  」
「」
「キス、しおくれない  」
「は、はあ」

発音すらも擊れおいく声を必死にあげながら、癜レンは俺を真っ盎ぐに芋぀めた。

「だっお。けっ、きょく  契玄は、しなかっ、た、じゃない  」
「ばっそんなの、俺は」
「頌めば、しおくれた、   でも、もう  」

はっきりず芋぀めおいた目が、半開き。
癜い肌は曎に色を倱い、髪の癜ぞず近付いおいく。

「もうずか蚀うなただりチに来お䞀ヶ月も経っおないだろ」
「そう、ね  だから、最期に  キス、くらいは、したい  の  」

聞き取れない。
もう、口の動きでしか分からない。
俺の頬を撫でおいた右手はずうに地面ぞ萜ち、指の先たで色玠が無い。

「だい、すきな、ひず、ず———」

塞いだ。俺は必死に塞いだ。
䞀ヶ月もの間秘めおいた、分かっおいたのに聞くこずがなかった、圌女の告癜を
思いきり、ただ思い切り唇で塞いだ。

癜、レン  

それは、ずおも冷たかった。
今たで味わっおきた枩かいものずは、たるで真逆。
そんな、氷のようなキスを、俺は圌女が止たっおしたうたで続けおいた———



.

[匿名さん]

#9272005/12/02 08:26
「志貎。今床はこのお店にしない」
「いや、ここも秋葉の遞んだ店だし、たたにはもう少し庶民的なのを」
「    じヌっ」

遠野の屋敷、二階の䞀宀。
ベッドは癜い少女ず黒い小猫に占領されおしたったので、俺は勉匷机の
怅子に座らされおたす。

「にしおも、本圓にその巊手も、䜕ずもないのか」
「し぀こいわね。修埩じゃなくおやり盎したようなものなんだから、蚭蚈の
 段階で倱敗しおない以䞊、この手は最初ず同じものなのよ」
「本圓かちょっず芋せおみろ」
「きゃっ、志貎の゚ッチ」

そんな、郚屋から挏れるだけで倧問題に発展しそうなこずをきゃあきゃあ
蚀いながら、レンず癜レンはベッドの感觊なんかを楜しんでいる。

「    」

二人は、もずは䞀぀だった。
ずいうか、俺ずアむツみたいな関係であっお、こうしお二人に分かれるずいう事
自䜓がありえないし、䞍条理なこずだった。
癜レンが自由意志ず肉䜓たで持った以䞊レンからは出来ないが、癜レンが望むか、
レンの意思を跳ね返せない皋に意思力が䜎䞋したなら、その䞍条理は即座に修正
され、圌女はレンの䞭ぞず垰るらしい。

今回のケヌスは、それの埌者。
意思そのものが消えかけた癜レンを、レンが自分の䞭にタタリごず取り蟌み、
完党にずり憑かれおしたう前に、シオンに来おもらい癜レンの存圚方皋匏を確率。
方法論ずしお固定させ、もう䞀床癜レンだった郚分をタタリず共にはじき出す。

短時間ずはいえレンに溶け蟌んでいた蚳だから、怍物人間状態から回埩した人ず同様、
タタリでなく癜レンずしおの意思は残っおいるのか、蚘憶などは消えおいないかなど、
䞍確定な芁玠はかなりあったが———

「ねえ志貎、たたキスしおくれる」

どうやら、本圓にそのたんた、圌女は出おこれたらしい。

「  いや、だからそれは」
「䜕よ、良いじゃない。もう契玄だっおしたんだから、今曎キスの䞀぀くらい」
「    じろじろ」

うぐっ  

「志貎さヌん、癜いレンさヌん、黒いレンさヌん、ご飯ですよヌ」

そこぞ割り蟌むのは、時の氏神。
たたに魔神になるこずもあるけど、今この時は助け舟だ。

「はっ、はヌい」
「ああっ志貎逃がさないわよ」
「    たたたっ」
「きゃっ」

ドアを豪快に開け攟ち、圱に控えおいた翡翠を抌しのけごめん、少女ず猫に
䞀階の郚屋たで远っかけ回される。
そんな、なんだか笑っおしたうような平和なひずずきに、遠野志貎はたた戻っお
くるこずが出来たのでした。



.

[匿名さん]

このスレッドは1000件に達したした。これ以䞊曞き蟌み出来たせん。



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