実際に私は警察の捜索を見たわけでもないし、どれくらいの人員が割かれていたのかも分からない
だがはっきりと言える事が一つだけある、それは２月の厳冬の北海道での捜索だということだ
女子中学生が徒歩で、しかも薄着の状態で移動できる範囲というのはひじょうに限られてくる、この季節の路面状態だと自転車も原付バイクも使用不可である
しかも薄着であるため、外を移動できる時間もせいぜい保って３０分程度だろう、どこか暖のとれる建物に入る以外手段がない（すぐに人目につくだろう）
そうでなければどこかで行き倒れになって通報されているはずなのである
つまり警察犬とヘリを動員した上で、この絞られたエリアを徹底的に捜索したのなら、徒歩以外の移動手段をもたない女子中学生が見つからないという事はまずないのである
しかし、どういうわけか、失踪した被害者は発見されなかった
そしてこの捜索エリアに永山中央公園が入っていなかったとはとても考えづらいのだ、公園内部まで細かく探索したかどうかは分からないが、外縁を見て回って侵入した形跡（雪を踏み越えた跡）がないかどうかくらいはやっただろうと私は思っている
それでも見つからなかったのだとするとこれはどういうわけなのか、答えはいたってシンプルである
つまりこの時点で捜索エリア内に被害者はいなかったのである
警察犬が匂いを追えなくなった位置で忽然と姿を消したのである
