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🚃 鉄道・電車


No.11575101
#751
リニア中央新幹線は、静岡県とJR東海との間で意見の食い違いが大きく、県内の本格着工には程遠い状況にある。

国土交通省は、両者の対立点について中立的な立場で検討するために「有識者会議」を設置したが、その議論がJR東海に有利な方向に進んでいるとして、静岡県はこの組織自体に異議を唱えている。

 一見泥仕合にみえるが、よくよく検討してみると、それぞれの立場の違い、考え方の違いから、議論がすれ違うのはごく当然のことなのである。

川勝平太静岡県知事の「文明観」
 静岡県の川勝知事は、かねてよりリニア中央新幹線の建設には賛成であることをたびたび表明している。

 それがなぜ工事を止めることになっているのかは、ひとえに「県民第一」のスタンスが背景にあるのではないかと考える。選挙で選ばれる県知事が、選挙民の利益を第一に考えて、いわば大衆迎合的な政策をとるのは当然のことである。

 リニア中央新幹線の、山梨県、静岡県、長野県の3県にかけて建設される南アルプストンネルによって大井川の水が減少して、表流水や地下水を利用する中下流域の企業や農家、飲料水としている流域の多くの人たちの大きな影響を生じかねない。

 川勝知事は、テクノクラート(技術官僚)の科学的思考法とは大きく異なり、『文明の海洋史観』の「歴史観について」にみられるように、難解な議論を畳みかけるように読者に分かった気にさせてしまう論法を武器として、なによりも日本人の「義理・人情」に訴えかけて、自然と納得させてしまうのである。

 令和2年6月のJR東海の金子社長との対談の映像を見ると、川勝知事は、相手に対して語り掛けるように、自説に引き込もうとする様子がうかがえた。最初は穏やかに、次第に口調が強くなり、言葉は丁寧なものの、語気が荒くなっていった。情に訴えようとする姿勢である。そのため、かえって合理的な論旨がぼやけてしまった感がある。


[ 匿名さん ]
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