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神道・仏教


No.5641621
合計:
#405

貧者の一灯

お釈迦さまの話に
感動した貧しい少女の難陀(なんだ)は、

ぜひ、自分も布施をしたい、と懸命に努力し、
わずかなお金を手にすることが出来たのでした。

これで会場を照らす灯火の一灯分の油を買おうと油屋に走るも、
お金が足りませんでした。
・・・・・・・・・・
「どうにかならないでしょうか。
 今日一日求め歩いて得たお金なんです。どうか……」

 店の土間に膝をつき、頭を下げたが、主人はまだ渋っている。

「見てのとおり、うちも貧しい商いなんだ。
 分けてやりたいのはやまやまだが、お金がないのでは仕方がないよ」

「無茶は承知です。
 お金が足りないなら、できることを何でもさせていただきます」

じっと聞いていた油屋は、

「釈迦牟尼(しゃかむに)というお名前は私も聞いたことがあるよ。

 だが、そんな大切なことを教えていられる方とは知らなかった。
 灯火を施したいのだね
分かった。私も一緒に布施させてもらおう」

と、手際よく油を容器に分け、捧げ持って彼女に手渡した。

あまりのことに難陀は、一瞬戸惑ったが、事態をのみ込むと、
パッと心が明るくなった。

心から店主に礼を述べ、恭しくその油を押し頂いて通りに飛び出した。

西の空には太陽が、すでに半身を沈めていた。

翌朝、精舎では、仏弟子の目連(もくれん)が灯火の後始末をしていた。

大方の火は油が切れて消え去ったが、
中に一つだけ、夜明けを迎えてもなお、明々


[ 匿名さん ]
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