もはや、ある種の開き直りさえ感じる末期的なロマン・ポルノである。
これなら、よほどピンク四天王や全盛期の片岡修二が新東宝で撮ったピンク映画の方が刺激に満ちている。
中途半端な文学性を纏った三流エロ劇画というか、素人童貞の妄想以前の代物である。おまけに、これでもかと言わんばかりのミスリードを強いてくるあざとい演出が鼻を突く。
それに、マンモス団地やその周辺にある空地や廃屋といったロケーションなら、既に黒沢直輔監督『ズーム・イン 暴行団地』(1980)というマッドなカルト・ムービーの金字塔がある。エアポケットのようなコインランドリーが暴行現場として設定されていることだけが本作の買える点だが、その磁場に吸い寄せられてくる性的に歪んだ登場人物たちはそろいもそろって都合のいい映画装置にしか映らず物語がペラペラだ。
