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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.654720
#231
前回は>>230


「ひ、酷い目にあったにゃ……」

ぶるぶると頭を振って、体を起こす猫アルク。その視界に入ったのは、まぁなんというか、この世あらざる光景だった。
いや、そもそも猫アルクとかマント男の動物ランドとかさっきの植物とか既にこの世あらざるものだけれど。
聳え立つ人物、外見はいたって普通なのだ。しかし、その大きさが尋常ではなかった。
下半身が地面に埋まっていて見えないけれど、上半身だけでも猫アルクの数十倍。
その随分と不機嫌そうな表情を見てなお、猫アルクは。

「でかー……でも、ちっちゃいにゃ。ペタンコだにゃ」

致命的な一言を、無意識に発してしまった。
そう、その人物の胸は、殆ど平らと言ってもいいような形状。
無論、そう言ってはなんだが女性である。はっきり言って禁句だろう。
事実とは、人を傷つけるものなのだから。
ドドドドドとかゴゴゴゴゴとか聞こえそうな雰囲気で始動する、その腕。

「やっちゃいましたねー、どなたか知りませんが旅のお方」
「あなたに、死刑です」
「い、言っちゃったー……」

何故かボロボロな三人がホールの隅っこのほうで呟く。
ちなみに全員が全員、特徴的な格好をしていた。
割烹着に、メイド服に、チャイナ服。
割烹着の少女は楽しそうにくすくすと笑い、メイド服の少女は無表情。
そして一際幼いチャイナ服の少女は怯えているようだ。

「にゃ、にゃにゃ? にゃにか起こるのかにゃ?」

流石にその異様な雰囲気を察したか猫アルク。
きょときょとと周囲を見回すも、もう遅い。

「吹き飛ばしてあげますっ!!!」
「にゃわーーーーー!!!」

この怪夜でも、屈指の悲鳴がそこに響き渡って空へと消えた。
それを見たものはこう語る。

「はいー、確かに迫力はありましたねー。小さかったですけど。
 怒ると鬼のように怖いんですよー。小さかったけど。
 まぁそれも私がちょっとお茶目し過ぎちゃったからなんですよー。小さかったですけど。
 お庭をお掃除して、メカヒスイちゃんの暴走を鎮めようとしただけなんですー。小さかったですけど。
 ちょっとくらい、多めに見てもらってもいいと思いません? 小さかったですけど」

…………。ノーコメント。


[ ねこあるくのぼうけん 後半戦その2 ]
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