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No.6891612
合計:
#163
平成を一言でいうなら、「格差拡大」の30年だと私は考えている。かつて一億総中流社会と言われた日本が、いまや米国に近い格差社会に変貌してしまった。

 ただ、格差拡大のメカニズムは、平成の前半と後半で異なっている。前半で起きたことは、正社員がリストラされて、非正規社員に転落するという下方向の格差拡大だった。その総仕上げをやったのが、小泉内閣が断行した規制緩和を中心とする構造改革だった。この点に関しては、私自身の『年収300万円時代を生き抜く経済学』でも詳しく書いたし、報道もなされてきた。

 ところが、国民にあまり知られていないのが、平成後半に起きた格差拡大だ。こちらは、富裕層が爆発的に増えるという、上方向の格差拡大だ。

 例えば、ワールドウェルスレポートによると、自宅や車などを含まない投資可能資産を1億1000万円以上保有する富裕層は、現在日本に316万人もおり、前年比で9.4%も増えている。ただ、彼らの存在が国民に認知されにくいのは、富裕層が自らの情報を開示しないからだ。自分の金儲けの手段や所得や保有資産を明らかにしたら、世間から袋叩きにあうので、彼らは情報を隠そうとするのだ。

 そうしたなかで、本書は、富裕層の金儲けの手段や資産運用、そして節税のやり方にいたるまで、詳細に記述したノンフィクションだ。しかも、登場する会社や人物がすべて実名なのだ。これは、相当取材に自信がないとできないことだ。金持ちの周囲は優秀な弁護士が取り巻いているので、すぐに訴えられてしまうからだ。

 相続税を回避するため、灼熱のシンガポールに移住し、ひたすら時が過ぎるのを待つ富裕層の姿、耐える富裕層、それが丸山一成さんなのかもしれない。


[ 匿名さん ]
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