仏教では一つの世界が誕生し、成長し、寿命を終えて次の世界が誕生するまでを4段階に分け四劫しこうといいます。
●成劫 じょうこう 天体が出来て生物などが出現する期間。
●住劫 じゅうこう 出来上がった世界が存続する期間。
●壊劫 えこう すべてのものが崩壊し、無に帰していく期間。
●空劫 くうこう 形あるものが一切なくなった無の期間。この宇宙の生滅の1サイクルを1大劫だいこうといいます。
通常の1サイクルは、全てのものが焼き尽くされる火災で終わりますが、8サイクル目は、火災ではなく水災が起こります。そして水災が8回目となる時は、水災に変わり風災が起きます。この風災で宇宙は大規模なリセットが行われます。この大きな周期を六十四転大劫といいます。
四劫の各期間の長さは20劫こうです。
20×4=80劫が1大劫
80×8×8=5120劫が六十四転大劫です。
さて、壊劫は地獄の崩壊から始まります。人間界から天界へと進み、七つの太陽が現れ、須弥山をはじめとして、風輪、水輪、金輪などを焼き尽くします。そして空劫の準備期間が終わると、風が吹き始めます。
風のエネルギーよって世界の創造が始まります。まずは風輪です。やがて凝縮が始まり、微粒子が集まり流れをつくり、水輪が現れます。
そして表面が固まって金輪となり、その中央に須弥山が盛り上がります。ここまで出来上がるのに1劫の時間がかかります。
その後、天の世界が始まり、時間とともに次第に迷いや欲望を持つものが現れ、天から人間へ、そして地獄へと落ちるものまで現れ、また各界が生まれます。
しばらくは各界が維持され、やがて昇華するがごとくに地獄の世界から生き物が消え、また崩壊が始まります。
※1劫は・・・
天女が100年に一度降りてきて、羽衣で軽くひとこすりして、7km立方の石が摩滅してもまだ余りある時間。