「死する時は黒皮隠々として骨其れ露あらはると申して、無間地獄の前相其の死骨に顕あらはし給ひぬ。人死して後のち色の黒きは地獄に堕つとは一代聖教しょうきょうに定むる所なり。」(御書一三〇三㌻)
「人は臨終の時、地獄に堕つる者は黒色となる上、其の身重き事千引ちびきの石いわの如し。」(御書一二九〇㌻)
「或は悪瘡あくそう、或は血をはき、或は遍身にあつきあせをながし、総じて法然が一類八十余人、一人も臨終よきものとてなし。」(御書三六三㌻)
この他、経典や御書に説かれる堕だ地獄の相について、まとめてみると、
①色がどす黒く変色する
②遺体いたいが固く硬直こうちょくしてしまう
③腐敗臭ふはいしゅうなどが漂ただよって臭くさくなる
④苦しみのあまり眼が上を向いてしまうか、固かたく閉とじてしまう
⑤白眼を剥むきだしたり、眼が赤く血走る
⑥ひどい恐怖と苦しみに口が大きく開いてしまったり、固く閉じてしまう
⑦恐怖のあまり、泣なき叫さけんだり悶絶もんぜつする
⑧手で空くうをつかんでもがき苦しむ
⑨大小便が垂たれ流しとなる
⑩鼻すじが曲がったり、凄すさまじい形相ぎょうそうに変わってしまう
⑪皮膚ひふが収縮しゅうしゅくして骨がはっきり顕われる
⑫血を吐はき出したり、全身に熱い汗あせをかく等の異常が生ずる―等々。