2004年か2005年の頃だけど、ママチャリで橋を渡ってたら、警官が職質をしてきた。
「その自転車、君の？」
「僕のではありません」
「じゃあ、盗んだんだな」
「違います。僕は派遣工で、派遣会社から借りた自転車です。疑うなら派遣会社に問い合わせてください。派遣会社の電話番号を教えましょうか」
「盗難届が出てる自転車かどうか確かめるから。防犯登録してるのか？」
「してませんけど」
「何で、防犯登録してないんだ？」
「だから、さきも言ったように、派遣会社から借りた自転車だから」
警官はワイを無視して、車体番号を調べて、端末機か何かで調べ始めた。それから警察署に電話をした。
「ちょっとポケットの中見せて」
「あの、あの車の運転者、携帯電話しながら運転してましたが、取り締まった方がいいのではないですか？」
「いいからポケットの中見せろ」
「でも事故を起こしたら」
「そんなん知らんわ。お前、いちいちうるせえな。さっさと見せろ」
ワイはポケットから財布を取り出して見せた。
「盗難車かどうかわかりませんか、わかりました」と相手に電話で言い、
「もうええわ。お前、もう行っていいから」
これが初めての職務質問だった。
それから2ヶ月間、なぜかよく警官と出くわし、そのたびに「その自転車盗んだんじゃないのか」と何度も職質された。
