「出生数の減少は最低でも100年は止まらない。今から少子化対策を講じても、人口減少が進むことを前提として、社会をどう機能させるかの対策は即座に求められる」
14日に国会内で開かれた超党派の「人口減少時代を乗り切る戦略を考える議員連盟」(野田聖子会長)の設立総会で、講師に招かれた一般社団法人・人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長は訴えた。
日本の人口は、2008年の1億2800万人をピークに減少に転じた。22年9月時点で1億2500万人だが、国立社会保障・人口問題研究所が17年に示した将来人口推計によると、標準的なシナリオでは53年に1億人を切り、2110年に5300万人程度と半分以下に落ち込む。
42年までは、65歳以上の高齢者が増え続ける一方で、15〜64歳の生産人口年齢が急減し「一番きつい20年間」(河合氏)になるという。
河合氏は、出生数はシナリオより悪い減少幅で推移していると指摘。「このままいけば恐ろしいほど減り、90年後には年間出生数は18万人になってしまう」と危機感を強調し、近未来を「人口激減社会」と表現した。