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📖 創作・携帯小説


No.11341556
合計:
#2
やっぱりな
正木はほくそ笑んだ、哲夫と名乗ったその若いサラリーマンとは、立呑屋で隣同士になった最初は好きなプロ野球のチームの話で盛り上がっていたが、やがて酒が進むにつれ職場の愚痴や仕事の悩みを口にしだした。
色白で小柄な男の子だった、正木がほくそ笑んだのは酒の事だった、思ったとおり、ほんの少しの酒で正体が解らなくなるくらい酔った、こんな立呑屋に来てるのも酒好きと言うより大人ぶった背伸びなのだろう。
今では頬をピンク色に染めて正木に寄りかかって来ていた、
依頼心の強い、子分肌な性格だろう。
「大丈夫かい?」
正木は哲夫の肩をだいて彼の目を覗き込んだ。
「大丈夫です」と焦点の定まらない目で応えたが足元は完全にふらついていた。
「何処まで帰るんだい?」
哲夫は都心から遠く離れた郊外の駅名を口にした
「ずいぶん遠いね、もう今日はどこかに泊まったらどうだい?」
「いえ、それは…母が心配しますので」
「それは良い歳をした男が言う台詞とは思えないな、男が一晩や二晩帰らなかったってどうだって言うんだ?」
「まぁ、それはそうですけど…」
「俺はどこかに泊まるよ、どうだい?飲み直さないか?」
正木は幾分強引に哲夫を近くのビジネスホテルに連れて行った。
途中コンビニに寄って酒やツマミを買ったが哲夫は部屋に入るなりベッドに倒れ込んでしまった。
正木がシャワーを浴びている間に哲夫は深く眠り込んでいた。
「おい、せめて着替えないとワイシャツがシワだらけになるぜ」


[ 匿名さん ]
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