そして、特筆すべきは衣装を脱着する時の所作だろう。この作品ほど、緻密な動きで衣装を脱着する演目はこれまでなかった。一曲目から三曲目までのファスナーの上げ下げは気づかぬほどにさりげなく、意識していないと見逃してしまう。
ステージの流れを途切れさせることなく客席に背を向けるタイミングで衣装を脱着しているからだが、これこそストリップティーズの醍醐味と言っていいだろう。
中条彩乃という人は、とにかく熱い人である。物言いが極端なくらいはっきりしていて、迷いというものがほとんど感じられない。おまけに、呆れるくらいの頑固さ（笑）
僕は、彼女の過剰なくらいにストレートなキャラクターが好きだ。深読みする必要がまったくないから、「中条さんがそう言うんなら、本当にそう思っているんだろうな」と納得することができる。
彼女のもう一つの美点は、自分に対して殊更にシビアでストイックなところである。他人は他人というある種突き放したクールさと、自分の行動には可能な限り責任を持つというスタンス。甘えというものが皆無なのだ。それこそが、中条彩乃（あるいは中条彩乃の中の人）の核だろう。
「中条さんがやることだから、とことん付き合おう」という気持ちにさせてくれるのだ。
