天龍はふざけやがってという気持ちだった。
レスラーでありながら姑息な事をやるのが許せなかったし、今までは、あんなに堂々としていた田中オーナーも急になんだか、よそよそしくなってしまった。
いつも非難中傷の矢面に立ち、自分の気持ちを殺して身を粉にしてきたSWSの二年間は何だったのかと思うと涙が止まらなかった。
天龍についてきた冬木や北原達も悔しかっただろう。こんな思いをさせてすまない、でも俺は負けないからなと心新たに切り換えようと務めたが、SWSは既に一枚岩に戻ることは不可能なところにまできていた。