ウクライナ・ロシア両軍の死傷者50万人に迫る…プーチン氏は南部の司令部を視察
読売新聞 / 2023年8月19日 22時18分
米紙ニューヨーク・タイムズは18日、複数の米当局者の話として、ロシアのウクライナ侵略開始以降、両軍の死傷者が50万人に迫っているとの見方を伝えた。ウクライナ軍の大規模な反転攻勢で戦闘は激化しており、今後も死傷者が増える見通しだ。
露軍側の死者数は民間軍事会社の戦闘員も含め最大で約12万人、負傷者数は17万〜18万人と推計した。ウクライナ軍は7万人近くが死亡し、10万〜12万人が負傷したと報じている。両軍ともに死傷者数の公表に消極的で、同紙は正確な把握が困難だと指摘した。前線では負傷兵の救護態勢が整っておらず、犠牲拡大につながっているとの見方も示した。
民間人の被害に歯止めがかかる気配はない。ウクライナ内務相などによると、北部チェルニヒウ中心部の劇場が19日午前11時半頃、露軍のミサイル攻撃を受け、7人が死亡、子供や警察官を含む117人が負傷した。劇場では無人機の展示会が開かれていたという。
露大統領府は19日、プーチン大統領が露南部ロストフ・ナ・ドヌーの侵略作戦司令部を視察し、総司令官のワレリー・ゲラシモフ参謀総長らから戦況の報告を受けたと発表した。露民間軍事会社「ワグネル」による6月の反乱で一時制圧されたロストフ・ナ・ドヌーをプーチン氏が訪れるのは、反乱収束後では初めて。
一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、北欧スウェーデンを訪問した。ウルフ・クリステション首相と会談し、連携強化を確認した。