猪木アリ戦にブックはなかったと言われる
俺もそれは事実だと思う
ブックがあれば世紀の凡戦と揶揄されることもなく
誰が見ても手に汗握るようなスリリングな試合になったはず
以下は俺の憶測
試合が決まってから両陣営は
どんなブックにするかをか話し合った
だが話し合いはまとまらなかった
猪木側が負けブックを飲まなかったからだ
アリ陣営には理解できなかった
世界的に無名の猪木にとっては
アリと闘うだけで十分メリットがある
なのに何故負けブックを飲まないのか?
プロレスこそ最強を謳ってる猪木にとっては
負けブックは飲めなかった
売名行為が目的ならアリと闘うだけで意味がある
だが猪木はロマンを求める男であり
アリとの試合もロマンを追い求めただけだ
別に負けること自体は何でもないが
初めから負けブックを飲みたくなかった
それに世界一のボクサーがどんなものか
試してみたい好奇心もあった
自分がプロレスで培ったテクニックが
果たしてアリに通用するのか?
純粋にそれを試したかった
アリ側は試合をやめることも考えた
エキジビションのような試合をセメントでやって
アリを怪我させる訳には行かない
何しろアリは金の成る木
東洋のちっぽけな島国の名も無いレスラーに
アリを潰されてはたまらん
アリ側はやめたかったが最早引き返せなかった
既に契約は完了され多額の金も動いていた
ならばとアリ側はルールで猪木に何もさせまいと図った
次から次へと猪木にとって不利なルールを突きつけた
何としてもアリ戦を実現させたかった猪木は
それを飲まざるを得なかった
それで負けたとしても猪木は構わなかった
負けブックを飲むのと結果は変わらないのだから
そしてブックのないまま
世紀の一戦のゴングが鳴った
繰り返すがあくまでも俺の憶測です