とりあえず投下。がんばりました(ぇ
深遠なる夜を含む三咲町。いつ明けるとも知れぬその怪夜の一角、そこで一人目覚めるモノがあった。
「……眠い……まったく、死人をおいそれと起こすなよ」
気だるげに彼は身を起こす。その右手には七夜と彫られた短刀。こきこきと首を鳴らして呟く。
「存在するはずの無い場所に俺が居る。
いや、存在しないはずの俺が実体を持っている、か?
どっちにしろ何か元凶があるはずなんだが」
そこまでで言葉を切り、学生服に包まれた身をぐっと伸ばす。
黒いその身はまさしく闇に紛れて溶けるようだった。
「とりあえずそれを殺せば元の場所に戻れるんだよな? 暇つぶし程度にはなってくれるといいんだが」
七夜志貴の長い、しかしたった一つだけの夜が始まった。