私は自分のしたいように生きる。
俺も自分のしたいように生きる。
私達は同類。
ああ、だが同類だからこそ。
出会えば、殺しあう。
寂しくないの?仲間が居なくなるのに。
それはどうにもならない事だ。問おう。寂しくないのか?仲間が居なくなるのに。
どうにもならない事だわ。私達は自分のしたいように生きる。
ああ、だからこそ。
自分以外の自由な奴が、憎くて仕方ない。
自分以外の「その」生き方を、認めない。
だから、私達は
だから、俺達は
殺しあう。
殺さないの?貴方がソレを突き立てれば、私は逝くわ。
そうだな。少し、話をしないか。
どんな?
俺はあいつに成り代わろうと、殺そうと思った。あいつの全てを、そう、全てを手に入れようと思った。お前はどうなんだ。
私は彼を私の物にしたかった。永遠を彼と生きようと思った。彼の命そのものを、私の物にしたかった。
なんだ、ということは、つまり。
私達の目的は、まるで正反対。
動かす衝動は同じでも。
至る結論は天と地。
なんだ。興が削がれた。もう行く。
待って。
なんだ?
私と、居て。
…
ダメかな?
…良いだろう。
本当?幕は下りた。俺もお前も。なら、もう固執する事もあるまい。よろしく、類稀な殺人鬼さん。こちらこそ。逸材の吸血鬼。夜は明ける。2人の繋いだ手は、剣呑にも見え。初めての「同類」に、喜びを感じているようにも見え。その気持ちがなんなのか分からなくて、互いの口を塞いだ。長く。永く…