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あのね、星野さんは荻野総長と小池総長に尽くして本部長、総長代行、相談役・松葉会相談役として順調に出世したわけ。
そういう親父の背中を見て佐久間は本家局長、統括委員長と「内務官僚」として着実に地歩を固めきたんだわ。佐久間が己の分をわきまえていたならば、三上氏に代が代わっても幹事長か総長代行を経て相談役になれたかもしれんし、運がよければ、上州国定一家に養子に行って上州国定一家総長になれたかもしれん。上州国定一家はみどり市の旧東村をシマとする実質一人組長の組織かもしれんが、国定忠治を初代とする金看板である。佐久間の蹉跌は三上氏に要らぬ対抗意識を抱いたことにある。他方、佐久間の親父の星野さんは、己の器量を理解し、その器量のなかで可能な限り行けるところまで行ったのは、やっぱり凄いと思う。
