具体性のない製品を具体性のない用途に売り込むことなど、できるはずがないのだ。
中身の伴わない言葉だけで事業戦略を立てることはできない。今回も、AIプロセッサーやスマートシティー向けSoC（システム・オン・チップ）といった曖昧な製品のために2nmプロセスが必要だといっても、前回と同様の失敗を繰り返すだけだろう。
そもそも経産省は、日本の大手電機メーカー各社の内情をどう考えているのだろうか。「半導体事業など二度とやりたくない」という企業ばかりなのが実態である。その証拠に、多くの電機メーカーが半導体事業を連結から切り離し、距離を置こうとしている。これから巻き返そうなどと考えている大手電機メーカーは1社もないし、仮にそうしたくても必要なヒト・モノ・カネを手放してしまっているので、巻き返せない。
