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周辺住民に衝撃 垂水女性死体遺棄事件 鹿児島
「まさか事件に巻き込まれていたとは」――。垂水市で昨年9月、女性の遺体を遺棄したとして、住所不定、無職田畑悠也容疑者（28）が死体遺棄容疑で9日に逮捕された事件。遺体発見現場や女性宅周辺では住民に衝撃が走った。
県警捜査1課によると、田畑容疑者は昨年9月16日夜ごろ、鹿屋市旭原（あさひばる）町の会社員岩切みはゆさん（当時35）の遺体を垂水市海潟の民有地の土手に遺棄した疑いがある。岩切さんはこの日、鹿屋市内の勤務先からいったん帰宅。同日午後6時半ごろ、同居する親族に「外出してくる」と伝えて家を出たまま帰らなかった。親族から鹿屋署に行方不明届が出され、捜索中の警察官が10月29日に遺体を発見した。田畑容疑者は調べに「遺棄はしたが死んでいたかどうかは分からない」と話しているという。
田畑容疑者は昨年10月8日、大分県別府市内の駐車場で、SNSを通じて知り合った別の30代女性に刃物のようなものを押し当てて脅し、車内に監禁したとして監禁容疑で大分県警に逮捕、起訴されていた。
捜査関係者によると、岩切さんもSNSを通じて田畑容疑者と知り合い、事件当日初めて出会ったという。田畑容疑者は岩切さんの遺体を遺棄した後、岩切さんの車で別府市へ移動し、同様の手口で監禁事件を起こしたとみられている。
岩切さんの遺体が発見された現場は垂水市役所から北北東に約5キロ離れた国道220号の近く。付近住民によると、昨年秋、警察官50人ほどが土手の周辺に集まっていたという。「散歩をすると異臭がするといってうわさになっていた。警察官が青いシートで何かを運んでいたが、まさか遺体が捨てられていたとは」。
岩切さん宅近くの男性は「（岩切さんは）高齢の女性と2人暮らしだったが、秋ごろから姿が見えなくなった。引っ越したのかと思っていたが、事件に巻き込まれていたなんて」と驚きを隠せない様子だった。
2021年1月11日 9時30分
朝日新聞デジタル
（稲野慎、三沢敦）
