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📖 創作・携帯小説


No.775849
#44
「あの雌豚、絶対、許さない!」
ネグロ隊長の頭の中は、怒りで、いっぱいだった。重傷を負っても、ボニタへの過激な想いは、途絶えることは無かった。
「雌豚め!じゃじゃ馬め!覚えてろよ!たっぷり、かわいがってやる!」
胸が、チクリと痛んだ。おかしいな。ここは、負傷していないはずなのだが。
「雌豚と、じゃじゃ馬は、たっぷりかわいがってやる!」
また痛んだ。やけになって、思わず、
「ボニタ・ビゴテの家を、潰してやる!」と叫んだ。それと同時に、ネグロ隊長は、発作を起こした。そのまま、ぶっ倒れた。口から、血が流れ出る。ネグロ隊長の目は、死んだ魚の目のようだった。物陰から、あの男が、出てきた。
「大丈夫。君みたいに強い奴は、そう簡単に、死にはしないよ。これは、序の口の魔法だ。そのうち、強い魔法を、かけてあげようか。発作程度じゃすまない、つよーい魔法を」
そう言うとロバルは、去っていった。ネグロは、目を覚まして、苦々しげにつぶやいた。
「豚を、豚と言って、何が悪い?」
その途端、脳天に、激痛が走った。ネグロ隊長は、思わず、座り込んだ。
「今のは、アタコ・ウナ・カベザ(私は、頭を攻撃する)魔法。ちなみに、さっきのは、エンプヘ・ウン・ペチョ(私は、胸を押した)魔法。さて次は———」
「もうやめてくれ」
すると声は、不気味に笑った。
「私は、どこにいても、貴公の挙動が見えてるのさ。後ろを向いていても、貴公が何をしているか、分かってしまう。無駄な抵抗は、やめろ。私に、筒抜けだ。私は、人間ではないのだ」
———馬鹿なことを。よく、法螺が吹けるものだ。
「私は、法螺など、吹いていない。事実だ」
「読んだのか・・・!私の心を・・・!」
「言っただろう。私は、人間ではない」
声は、不気味に、高らかに笑った。
「隠れてやっても、私には、筒抜けなんだ」
ネグロ隊長は、怒りが、頂点に達した。思わず、
「貴様!そうやって、人々を脅し、悪事を働いてるのだろう!ハッキリ言わせてもらうが、エル・オンブレ・クエ・エスタバ・エナモラド・デ・ウン・ラドロン(泥棒に恋をしていた男)だから、そういうことが平気でできるんだ!このネシオ(馬鹿)!ウステッド・エル・アスオレ(あなたが、くそったれ)!ノ・アイ・バロル・ビビエンテ(生きてる価値が無い)!」
「言いたいことは、それだけか」
「もっと言うと、マサス・イグノランテス(無知な多数)!」
そう叫んだのと同時に、男が現れた。男の両目が、妖しく光った。するとネグロ隊長は、頭を、ハンマーで殴られたような痛みを覚えた。ネグロ隊長は、気を失った。男は、いつの間にか、消えていた。


[ れいれい◆930207 ]
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