「私はワクチン未接種のまま派遣されます」…大規模接種センターに召集された自衛官から届いた悲痛な告発
9/25(月) 13:17配信
プレジデントオンライン
自衛隊が運営する大規模接種センター(=2021年5月24日午前、東京都千代田区) - 写真=時事通信フォト
2021年5月24日から11月30日まで自衛隊は東京と大阪で「自衛隊大規模接種センター」を設置した。軍事ジャーナリストの照井資規さんは「実は人手不足から、ワクチン未接種の隊員を緊急招集していた。防衛組織の部隊運用とは思えない無計画さが露呈した運営だった」という――。
※本稿は、照井資規『「自衛隊医療」現場の真実』(ワニブックス【PLUS】新書)の一部を再編集したものです。
■大規模接種会場で起きたこと
2021年5月から自衛隊は東京と大阪に「自衛隊大規模接種センター」と「自衛隊大規模接種会場」を開設して大規模接種を行った。名称が異なるのは目的、会場によって編成などが異なるためだ。
「自衛隊大規模接種センター」は2021年5月から190日間、東京を自衛隊中央病院が、大阪を自衛隊阪神病院が担任し「新型コロナウイルス感染症対策の決め手となるワクチンの接種を促進し、感染拡大防止に寄与すること」を目的に運営した。
自衛隊病院は陸自、海自、空自の共同機関であるから、まさに自衛隊あげての大事業だったことになる。
「自衛隊大規模接種会場」は2022年1月から約400日間、陸上自衛隊が東京を東部方面隊、大阪を西部方面隊が担任し「オミクロン株の感染が急速に拡大する中、地方自治体のワクチン接種に係る取り組みを後押しすること」を目的に運営されることとなった。
感染症は動向を予測し難い。今でこそ新型コロナウイルスの特徴は広く知られるようになり、インフルエンザのような季節性がない、変異を予測しがたい等、感染抑制が困難であると判明している。だが、自衛隊が大規模接種を計画する頃は、感染症の動向がわからなかったため、運営は相当な困難であったことだろう。
■自衛隊の計画のずさんさが浮き彫りに