「水だけで3日」「冬なら死んでいた」コロナ禍に家を失う若年層増加の現実
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新型コロナが原因で、家をなくし、ホームレスになる若者が増えている。AERA 2020年11月16日号はその実情を追った。
「これから寒くなるのに、このままでは冬を越せない」
10月下旬、東京・池袋の公園。
男性(43)は、ホームレスになって痛めたという腰に手をやりながら疲れた表情でつぶやいた。
九州出身で、長野県内の工場で派遣社員として働いていた。
だが、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化すると、社員と派遣社員の半数ずつが「人員整理」されることになり男性は対象者になった。9月中旬、「雇い止め」となり職をなくした。
仕事を求めて同月下旬、東京に来た。
ネットカフェで暮らしながら仕事を探したが、年齢が壁となった。10月半ばにはお金が底をつきホームレスになった。
公園などで寝泊まりを続けながら何とか暮らしていたが、所持金は100円を切った。
「今は、一日一日を生きるので精一杯です」
家族とは決別しているので頼りたくないという。
頼ったのが、池袋を拠点にホームレスを支援するNPO法人「TENOHASI」だった。
冬物の衣類をもらえると聞き、配布場所のこの公園に1時間前から並びジャンパーをもらうことができた。
だが、今後のことを考えると不安は尽きない。
病気、食事、寝る場所。
男性はこう話した。
「僕一人では、どうしようもできない