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📖 創作・携帯小説


No.9425634
#5
私は空きっ腹を抱え街を彷徨いていた。
もうそろそろ潮時だろうか、また日本に帰って辛いアルバイトの日々か…
日本を飛び出して数ヶ月 楽しい時はあっという間に過ぎ、いつも直面する現実の悩める日々がやって来た、ポケットの中には日本円にして数千円、この僅かな金を駆使してあと何日滞在できるか?
そんな時だった、この男に声を掛けられたのは
「君、文章書ける?」
何の前置きも無く突然背後から話かけられた
「なんですか?」
「簡単なバイトしない?ああ大丈夫!お小遣い程度だから法には触れない」
怪しさ満点だった、実際この地では日本人が日本人を騙して金を巻き上げたり、ノコノコついていった女性が強姦されたり、そんな話はよく聞いていた。
しかし私は金もなければ女でもない、そして「金!」今の私には渡りに船だった、興味を覚えた私は男の話を聞く事にした。
私だってこの地の来訪歴は多いのだ、簡単に騙される事も無いし、何より今の私から何を搾り取るのだ。
「バイトですか?何の?」
せっかちな男だった、男はいきなり私の手に結構な金額を握らせた。
「ちょっと待って、まだやるとは言ってない!」
「大丈夫簡単な事だから」
しまった!そっちのほうか! この地では男が女装したり
男色を嗜む者が多く、男だから大丈夫だと高をくくっていた私はまだまだ修行が足りなかったのだ。
「イヤ!ダメ!」女性のような拒み方をした私に目もくれる事なく、男は続けた「ほら!あれ!あのパラダイスに行ってくれ」
「?」「ソープランドだよ!ソープに行ってレポートを書いて来てくれ」男は一棟の大きなビルを指差して周りに憚ること無く大声で言った。
男は私の肩を抱きそちらの方向へ歩き出し仕事の内容を説明し始めた。
話は簡単だった、忙しくて手が回らない今まで使っていたライターが帰国した締め切りが近い、で、私に声が掛かった あとどうやら私の事を男に教えた奴が居るらしい 金に困っていると…
男は建物の前まで私を連れて来ると「明後日の午前中まで原稿用紙4枚分 良いレポート宜しく!」と言って封筒を渡し帰って行った。 
これが男と私の出会いだった。
この時のレポートは高評価だった、実を言うとそんな所に出入りした事のない私の初な体験談が東京の出版社にも大ウケだったらしい。


[ 匿名さん ]
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