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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.654720
合計:
#220
前スレ726です。
この流れで自らも発火剤になれることを祈りつつ!


膠着状態が続いていた。
「ぬうん!」

「ふっ、ハッ・・・!」
「どうした、先程から逃げてばかりだが?」
クッ・・・言ってくれる。まともに一撃喰らえば俺なんかじゃひとたまりも無い。
良くて骨に皹、下手をすれば——即死。
「そら!」
前進しながらの大振りの裏拳。
「、っっと・・・!!」
幸いなのは技が大振りで隙が大きい事。上手くかわせれば隙を突ける。
「そこだッ・・・!」
渾身の力で突進、短刀を突き刺す。
「小賢しいッ!」
「がっ・・・!!」
振るわれる豪腕。弾き飛ばされる身体。辛うじて受身を取る。
なんて馬鹿力・・・長期戦に持ち込まれてはこちらがかなり不利だろう。
「どうした、七夜の倅。よもやこれだけという事はあるまい?」
「そんな訳無いだろう・・・!!」
俺はこいつを倒さねばならない。
何故かは解らない。でも、こいつを倒さねば俺は先へ進めない———!!
「行くぞ軋間。俺はお前を倒して先へ行く」
「・・・その意気だ。そうでなくては面白くないからな。
 かかって来い、七夜の倅———!!」
軋間の死を凝死する。
殆ど薄くしか見えない。これが紅赤朱の力なのか・・・・!
・・・しかし。
伸ばされた前髪によって隠されている過去に潰された右目、それと同じ右側の頚部。
過去、記憶さえ残っていない誰かによって付けられた傷。そこだけ一際線が濃い。
なら狙うは一点。危険な賭け、だがこれ以外に活路はない———!!
「だァァァ——!!」
駆け出す。ただ首を狙うだけでは相手に読まれる。
走った勢いをそのままにスライディングをかます。
「ぬぅ!?」
流石に意表を衝かれたか、一瞬たじろいだ様に見えた。
「小癪、な・・・・」
そのまま跳ね上がるように起き上がり上から下に斬り上げ、更に返す刃で首の線を断つ——!!

「それだけか?小僧」

ハズ、だった。
「な、に」
気付けばヤツは腕を突き出した格好のまま数メートル向こうに。
俺の体はヤツの突き出した腕によって吹き飛ばされていた。
肺に空気が残っていない。頭は胡乱。アバラの何本かは持ってかれただろう。
「が、ふ」
駄目だ。ヤツの鋼のような肉体には届かない。
決定的な隙。そこに致命的な一撃を・・・!!
紅い鬼が歩み寄る。その腕は俺の首へ真っ直ぐと伸びて———

「残念ですが、そうはさせない」

その腕は、何かに絡め取られた様に留まっていた。


[ 匿名さん ]
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