感想をもらえなくても泣かない。活性化しなくても泣かない。
大丈夫、私は今日も元気ですっ! と言う訳で口直しのギャグ物を一発。
だいいちぶ。ねことへんたい。
「にゃにゃにゃ? ここはどこなのにゃ?」
目を覚ましてみると見知らぬ町。グレートキャッツなにやらだかなんだかとは程遠い場所だ。
「まぁいいにゃ。ここは一つ、夜の散歩と決め込むかにゃーにゃんて思ってるワタシってせくしぃ?」
常人には理解不能の思考回路、それも当然。なぜなら彼女は猫だから。
否、猫アルクだから!
人間の赤ん坊程度の身長に、猫の耳。二頭身のその体は凹凸なくすらりと。名前の通り猫のよう。
その謎生物は暇つぶしをするためか、は分からないけれどとにかく歩き出した。
この夜が、恐ろしい怪夜であることも知らずに!
「にゃーんだかにゃー……歩きだしたはいいものの、どこへ行くんだワタシ?
知得留みたいな遊び相手がいないと暇でしょーがにゃー」
と。ぴくり、彼女(?)自慢の(??)猫耳が反応を見せる。
「にゃんとびっくり、そこにいるにょは裸マントの変態じゃにゃいか!
こりゃ行ってみるしかにゃー!!」
どどどどどっ、と砂煙を上げて走り出す猫アルク。
しかし、どうして聴覚で裸マントの変態が歩いているなんて分かるのだろうか……ま、猫アルクだし。
地を駆けジェットで宙を飛び。なんで足にジェットなんかついているのか分からないこの生物。
それは真っ黒な男の目の前に降り立ったのだった。
「ぬ……ぬぬっ!?」
「よー変態。元気してっか、特に下半身」
「き、貴様はっ!? なんだ、なんと言う珍しい生物!!」
「にゃは、ワタシを見て興奮すんなよ? あ、でも変態だから常時興奮状態か。にゃはは」
朗らかに、と言うか明らかに馬鹿にした笑いを見せるその生物に、わなわなと震える長身のマント男。
それは怒りでもなく、アル中(Not=アルク中毒)でもなく。紛れもない興奮、好奇心から来る震え。
当然、猫アルクが意図するような性的な意味ではありえない。
そんな奴いたら変態どころの騒ぎじゃあないだろう。
「おおぉ、この極東の地にはかように珍しい生物が存在しているのか!
「そうそう、ワタシは天然記念物並みのレア生物にゃのさ。接頭語に特殊が付くくらい」
まぁ確かに随分と特殊ではある。
じり、じりと距離を詰めるマント男。
きちんと見れば整った顔立ちをしているのだろうが、興奮に緩んだ頬と乱れた息。
正に変態と言って差し支えない程度の怪しさにはなっていた。
それを見ていっちょ前に危機を感じたのか猫アルク。
自分から姿を見せたくせに胸を抱いて後退。
「へ、変態にゃ! 変態がここにいるにゃ!!
しーきゅーしーきゅー、誰かたーすーけーてー!!」
なんて声をあげて逃げ出すもんだから。
「ま、待て! 待ってくれ!! 言語を解するならせめて足型だけでもっ!!」
追われる羽目になってしまうのだった。
心なしか、追うマント男の方が必死で、逃げる猫アルクが楽しそうに見えるのは……まぁ錯覚じゃないだろう。