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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.654720
合計:
#229
前回は>>228


「はぁ、はぁ、はぁ」
「にゃーんだお前。おみゃーみたいな脇キャラの出番はもう終わったのだよ」
「あ、諦めてなるものか……せめて足型だけでも取らねば、一生後悔する!」

必死で公園まで追いかけてきた男に、猫アルクは冷たい言葉をかける。
彼女(?)のなかでは既に終わったものらしい。
それでも、男は諦めなかった。

「戻れ……よくやった」

マントの中にカラスを呼び戻す……あのマントの中は動物園か何かなのだろうか?
どうやら、だ。カラスを使って猫アルクの行く手を追っていたみたい。
ストーカーよりも性質が悪い気がする。

「まー、その執念だけは認めてやらん事もにゃーが。しつこい奴は嫌われるぜ?
 そのかわりに動物に好かれてるのかも知れにゃーけど、ワタシは別だから」
「今度こそ逃がさん……」

ぶわっと。一気に数十体もの動物を開放する男。
ガクガク動物ランド。そんなワードが浮かぶような馬鹿っぷりだった。

「きしゃー!!」

寄ってくる蛇共を口から火を吐いて焼き払う猫。もう何があっても驚かないほうがいいだろう。
そんな事お構い無しに襲い来る動物園。最早猫アルクに逃げ場はなかった。
ある一点を、除いて。

「ふぅ。貴様にゃかにゃかやるにゃあ。この猫アルク様をここまで追いつめるとは……
 ま、こんな事日常茶飯事にゃんだけどね。
 もう一人猫がくっから、それの相手してやってくれ。じゃーにゃー♪」

なんだか矛盾した台詞を吐いて。猫アルクは地面に潜って消えた。
随分とあっさりした追いかけっこの終焉。

「な……」

ずがびーん! という擬音が似合いそうな硬直を見せるマント男。

「ふ、ふ……」

ふ?

「ふざけるなぁー!!」

そんな虚しすぎる叫びがこだましたのだった。めでたくなしめでたくなし。


だいにぶへ続く!!


[ ねこあるくのぼうけん 前半戦その3 ]
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