前回は
>>228
「はぁ、はぁ、はぁ」
「にゃーんだお前。おみゃーみたいな脇キャラの出番はもう終わったのだよ」
「あ、諦めてなるものか……せめて足型だけでも取らねば、一生後悔する!」
必死で公園まで追いかけてきた男に、猫アルクは冷たい言葉をかける。
彼女(?)のなかでは既に終わったものらしい。
それでも、男は諦めなかった。
「戻れ……よくやった」
マントの中にカラスを呼び戻す……あのマントの中は動物園か何かなのだろうか?
どうやら、だ。カラスを使って猫アルクの行く手を追っていたみたい。
ストーカーよりも性質が悪い気がする。
「まー、その執念だけは認めてやらん事もにゃーが。しつこい奴は嫌われるぜ?
そのかわりに動物に好かれてるのかも知れにゃーけど、ワタシは別だから」
「今度こそ逃がさん……」
ぶわっと。一気に数十体もの動物を開放する男。
ガクガク動物ランド。そんなワードが浮かぶような馬鹿っぷりだった。
「きしゃー!!」
寄ってくる蛇共を口から火を吐いて焼き払う猫。もう何があっても驚かないほうがいいだろう。
そんな事お構い無しに襲い来る動物園。最早猫アルクに逃げ場はなかった。
ある一点を、除いて。
「ふぅ。貴様にゃかにゃかやるにゃあ。この猫アルク様をここまで追いつめるとは……
ま、こんな事日常茶飯事にゃんだけどね。
もう一人猫がくっから、それの相手してやってくれ。じゃーにゃー♪」
なんだか矛盾した台詞を吐いて。猫アルクは地面に潜って消えた。
随分とあっさりした追いかけっこの終焉。
「な……」
ずがびーん! という擬音が似合いそうな硬直を見せるマント男。
「ふ、ふ……」
ふ?
「ふざけるなぁー!!」
そんな虚しすぎる叫びがこだましたのだった。めでたくなしめでたくなし。
だいにぶへ続く!!