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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.654720
合計:
#250
さて、久し振りに投下してみるか
まだ見てる人いるのかね?w
前にオリキャラ絡みでメルブラキャラを描こうと思ってる、って言った奴だけど


『恋に焦がれて嘘と消える──湯川 有紀の場合』

それは、突然の出会いだった。
まず始めに、痴漢を殴り飛ばしたことでバイトをクビになった。
(……こーいうのって、触ってきた客が悪いんじゃないのっ!?)
…なんて思ったりもしたけど、店長に怒鳴り散らしても意味がないのは分かってたし、疲れてたから思うだけにしといた。
両親にクビになったことを言うのも嫌だし、家に帰るのも辛くなって…。
それで、公園のブランコに乗りながら溜め息を吐いてたんだ。もう日が落ちてから随分経つから、制服だけじゃちょっと寒い。
そんな時間帯に偶然、知ってる顔を見つけたのっ。
(……あれ、志貴君っ?)
同じクラスの遠野志貴っていう、ちょっと地味な男の子。
普段の私ならあんまり話し掛けもしないんだけど、今の私はちょっと違う。
(志貴君なら愚痴くらい聞いてくれるかも…)
こんな時間に制服を着て出歩いている志貴君を見て、同じく制服を着た私は"親近感"を覚えていた。
「志貴くーんっ♪」
ブランコから飛び降り、教室で見慣れた姿に向かって、とてとて駆け出す。
まだそんなに遠くにいってないだろうし、すぐに………あれっ?
「志貴、くん?」
いない。曲がり角なんかないのに、人の影なんて見当たらない。どういうこと?
「見間違…」
振り返って鞄を取りに戻ろうとした瞬間、首筋にひんやりとした感触。
え?
なにこれ?
誰?
私どうなってるの?
「…眠い。あまり手間を掛けさせるな」
「し、しし志貴、くん…っ!?」
奥歯がガチガチと音を立てる。やだ、何で、動けない…?
「何者だ。……いや、いい。見た所、兄弟(あいつ)の知り合いか」
何言ってるの…?志貴君じゃないの…?
その時、私はようやく気付いた。苦しい。見ると、驚くくらい、腕が喉に食い込んでいる。私の首、こんなに細いの…?
どうやら私は、片手で後ろから首を締められて、そのまま持ち上げられているらしい。身動き出来ないのは地面に足が着いていないせいだ。
「…っ……離、してぇ……!!」
悶える。苦しい。もがく。くるしい。死んじゃうよ。クルシイ。
「し………き…く……っ」
ダメ、目が飛び出しそう。喉が押され、舌が少しずつ押し出される。吐、き、そう。気持ち、悪ぅ、い…。
「………」
どさりっ。


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