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九州大学の研究チームは、日常的な内服薬を使っていないことを条件に選ばれた、ひきこもり状態にある42 人と健常者41 人の血液を採取し、成分の比較を行うことにしました。
結果、特にひきこもり男性の血液では、アルギニンの値が低く、アルギニン分解酵素とオルニチンの値が高くなっていました。アルギニンは主に鶏肉や豚肉、エビ・カニなどの魚介、大豆などに多く含まれ、体内で一酸化窒素を作り出し、血流をスムーズにする重要な栄養成分です。
体内ではアルギニン分解酵素によってオルニチンと尿素に分解されることが知られています。ひきこもり男性の血液ではアルギニン分解酵素が増え、アルギニンがどんどん分解されてしまい、分解産物のオルニチンが増加していると予想されます。
アルギニンがなぜひきこもり患者でどんどん壊されるのかはわかっていませんが、サプリメントなどでアルギニンを補給すれば、ひきこもりの症状が良くなる可能性があります。
また、ひきこもりの人は、血中のビリルビンの値が低く、脂質の代謝に関係する長鎖アシルカルニチンの値が高いことも判明しました。