結婚相談所は、退会よりも休会扱いにすることを勧めた。しかし、Aさんは「彼女と別れることが前提になっているのが嫌」と退会を選択した。
結婚相談所はさすがに人を見る目が肥えている。Aさんの社内恋愛は1年ほどでピリオドを打つ。
それから10年以上が経過。コロナ禍が始まった2020年、Aさんは再び結婚相談所に入会する。同じ相談所だがシステムが代っていた。入会金10万円で月額は1万5000円だった。
以前はプロフィールと写真がOKなら直接電話できたが、今はメールでのやり取りに変更されていた。
年齢が44歳になったAさん側の選択肢はかなり狭まっていた。30代の女性が結婚相手に望む年齢は26~36歳までが圧倒的で、44歳のAさんは、その時点で除外されていた。となるとAさんの結婚相手となる対象は必然的に40代の女性になる。
それでも10人以上の紹介書が届いた。いざ、仕事の話になり、「パチンコ」と分かった途端に100%断られた。業界も衰退するばかりで、パチンコのイメージがさらに悪化していることを痛感する。
それでも1人とデートするところまで漕ぎつけた。過去、大手ホールでアルバイト経験があったので、パチンコに多少の理解があった。ところが実際に逢ってみると全く女性を感じることがなかったので、Aさんの方から断った。
Aさんは今になって思う。
「会費の1万5000円が惜しいわけではない。心の底から結婚したいと思っていないのかもしれない」
お見合いでは、「パチンコ」がNGワードになっている現実があることだけは間違いないようだ。