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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.630572
合計:
#208
「・・・不条理だ。礼節を尽くしてこの結果か。」
闇の迫る路地裏の入り口を見上げ、はぁ、と一つため息をつく。気が重い。
最初はちょっとした思い付きだったのだ。が、現実と言う物は常に厳しくあるらしい。
日本人はあまりに礼儀正しい。単体で聞けば良い事かもしれないが、アレは何だ。全く持って不条理だ・・・
まぁ良い、人事は尽くしたのだ。後は天命を待つとしよう。もう一つため息をつくと「戦利品」を持ち直し、歩き出した。


「も〜!一体どこで油売ってるのよ!」
何度目かの呟きと共に時計を見て、白レンは小石を一つ蹴飛ばした。からからら、と乾いた音が壁に反響して空ろに響く。
ぷっと頬を膨らませ、拗ねたように俯くその姿を人が見たら微笑ましい、と評した事だろう。
しかし無論、実際にそんな事を口に出せばとんでもない怒りの応酬が帰ってくるであろう事は言うまでもない。
「もう、いつもいつも人の気も知らないで好き勝手ばっかり・・・」
ぶつぶつとこぼしながら、今度はぐるぐると円を描いて歩き回る。
不満の原因は何のことはない、少しうとうとして目が覚めたらいるはずの人間がそこにいなかったと言うだけの事だ。
特に約束があったわけでもないし、もしいたからと言って特にすることがあった訳でもない。
ただ今まで当然のように繰り返されていたパターンが変わるのは、何と言うか・・・気に入らなかった。そう、気に入らない。
何しろ彼はマスターなのだ。他でもない自分の使い魔に断りも無く家(?)を空ける等あって良い事だろうか?いや、そんな事は絶対に許されない!
被告人不在のまま満場一致で有罪判決を下しつつ、彼女はもう一つ小石を蹴飛ばした。
要約すれば彼女は「寂しい」だけなのだが、勿論、その事実を認めるような性格はしていない。
隅のベッドに腰


[ 白レンショート・ショート(2/1) ]
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