すると彼女は綺麗な青い瞳で見つめる。そしてその瞳から、一滴の涙がぽろりと、
「!な、なぜ泣く!?」
七夜が驚きの声を上げると、彼女は涙を拭いながら、
「だ、だって・・・だって志貴が・・・私とデートしてくれないって・・・」
「いや、しかし・・」
が、彼女は言葉を遮って、
「志貴私とデートしてくれるって言ったもん!志貴私とデートしてくれるって言ったもん!
志貴私とデートしてくれるって言ったもん!・・・・」
「ま、待て!わかったから、とりあえず落ち着いて話を・・・」
と、そこで、彼女が震えるような声音で言ってくる。
「・・・じゃあ、私とデートしてくれる?」
そして彼女は涙に濡れた瞳でさらに上目遣い。
もう、信じられないほどのかわいさで上目遣いなんかして、
「・・・誰だよ・・・はあ」
もう、わけがわからなくなった。
それに彼女が、
「・・・もぉ・・・志貴ってば恋人の名前を忘れちゃったの?」
また、照れたような赤い顔で言ってきて。
それはもう、演技のレベルを超えていた。
ちらっと白レンを見て、
「やれやれ・・・」
七夜は疲れきった声で言った。
「あ〜俺全く寝てないからさ、デートはまた今度ということで・・・」
が、そこで。彼女の瞳からまたも涙がぼろぼろとこぼれだす。
「・・・・いや、だからなぜ泣く?全くわからん。・・・やっぱり無理だ。
俺は徹夜5日目だから、寝て英気を養わないと梅サンドを乗り越えられない」
すると、彼女は、やっとわかってくれたのか、残念そうな顔で言ってくる。
「・・・そう・・・そうよね。志貴にも事情があるもんね・・・無理強いはできないよね」
「とか言いながら、なんで氷を出してるんだ?」
「え?これは氷じゃないよ?私の愛だよ?」
そして頭上の氷が光って、
「愛してるわ志貴♡」
「ちょ、待・・・!」
「愛してるわぁあああ♡」
「ぐああああああああああ!?」
次の瞬間七夜は愛の重みに押し潰されて意識をぶっとばされた。
「さあ、行きましょう志貴♡」
「・・・・・」
白レンはぼろぼろになった七夜を引きずって町に歩いて行った。
続くのか?