震災関連死38人が車中泊 18人は転院後 熊本地震1年
震災関連死38人が車中泊 18人は転院後 熊本地震1年
熊本地震後、中学校の運動場で車中泊をする被災者たち=昨年4月19日、熊本市中央区(写真は本文と直接関係ありません。写真の一部を加工しています)
熊本地震で過酷な避難生活などによって「震災関連死」と認定された熊本、大分両県の169人(5日現在)のうち、マイカーなどに寝泊まりした「車中泊」経験者が38人、入院中の医療機関が被災して転院を迫られた人が18人に上ることが、被災市町村への取材で分かった。熊本地震の犠牲者は、倒壊建物の下敷きになるなどした「直接死」50人を、関連死者が大きく上回っているのが特徴で、専門家は「車中泊や医療機関の被災に伴う転院のダメージが一因」と指摘する。
関連死と認定されたのは、熊本県内が熊本市62人、阿蘇市と益城町各17人、南阿蘇村11人など。大分県は由布市が3人を認定した。
熊本地震は、発生後1週間に起きた震度1以上の余震が2千回を超え、建物内での被害を恐れるなどして大型駐車場などに車中泊の車が殺到。約3千人に対する熊本県のアンケートでも、避難者の68・3%が車中泊を経験していた。
美砂