>>196
アイアンドームをどういう目的で使うかが問題ですよね。
基本的に我が国が“ミサイル攻撃”を受けるケースを想定すれば、相手は北朝鮮かシナ、もしくはロシアになると思われますが、これらの国々から発射されるのはいずれも射程が最低でも数百㎞以上の弾道ミサイルになるんですよね。
アイアンドーム開発当時に、ハマスがイスラエルに撃ち込んでくるロケット弾の射程は精々50㎞程度でした。
つまり我が国が防御を考えなければならない弾道ミサイルに比べて飛翔高度は極めて低く、速度もずっと遅いのです。
私の記憶が定かであれば、そもそもアイアンドームをイスラエルか開発したいと欲したのは、このハマスからの“短射程”のロケット弾攻撃に対応するのが目的だったはずです。
また米国がこれに資金援助を行い、さらにこれを海兵隊などで採用したのは、米軍が海外派兵した際に、同種の短射程のロケット弾攻撃を受ける可能性が高いため、これへの対応策が必要だったからです。
言うまでもなく、このアイアンドームのような短射程ロケット弾防御システムと、我が国が想定しなけれはわならない弾道ミサイル防衛とでは開発の難易度は格段の差があります(もちろん、弾道ミサイル防衛の方がずっと難しい)。
アイアンドームは、敵からの間合いが近く、日常的に短射程ロケットで簡単に攻撃されてしまうイスラエルや、海外派兵する米国には必要な装備ですが、それが我が国にも必要かどうかは別の話かと思いますので、導入にはなりにくいと思いますよ。
