◆ 電撃加入から1週間…
ロッテの鳥谷敬選手(38)が17日、ロッテ浦和球場で行われた巨人とのファーム練習試合に「3番・遊撃」で先発出場。移籍後初出場で安打を放ち、守りでも好プレーを見せて健在ぶりをアピールした。
“引退説”も流れるなか、本人は現役続行を希望して阪神を退団。新天地探しの旅がはじまった。
ところが、待てど暮らせど所属先は決まらず、キャンプがはじまり、オープン戦もスタート。いよいよ新たなシーズンへ……というところで、その知らせは突然舞い込んできた。3月10日、ロッテが鳥谷敬の獲得を発表したのだ。
「今は感謝の気持ちしかありません。とにかくチームの優勝に少しでも貢献できるように精一杯、プレーをさせていただきます」と語った背番号00。すぐさま浦和のファーム施設で練習をはじめると、入団発表から1週間後の3月17日、ついに“実戦デビュー”を迎える。
◆ 2打席目で快音!
新天地での第一歩は、昨年まではライバルチームだった巨人とのファーム練習試合。「3番・遊撃」でスタメンに名を連ねた男は、真新しい背番号00のユニフォームを風になびかせながら自身の“定位置”に向かった。
1回表、その先頭打者。湯浅大の打球はいきなり鳥谷のもとへ。先発・石川歩の内角球に詰まらされた打球は、力なくショートの正面。俊足が持ち味の相手だったが、流れるように捕球から送球までをこなし一塁はアウト。まずは軽快な動きを見せる。
その裏、二死走者なしで「3番・ショート 鳥谷」のコール。残念ながら無観客での開催とはなったものの、三塁側に陣取った多くのカメラマンからシャッター音が響かせるなか、巨人先発・戸郷翔征と対決。3ボール・2ストライクとフルカウントまで持ち込むと、勝負球はやや甘めに来たものの打ち損じ、三邪飛でアウト。初打席で快音とはならなかった。
しかし、3回の第2打席でその瞬間は訪れる。
2番の和田康士朗が素晴らしい当たりの逆転2ランを右中間スタンドに叩き込んだ直後、戸郷が投じた高めの速球を1球で仕留め、逆らわずに弾き返した打球はレフト線へ。クリーンヒットで移籍後初安打をマークした。
ただし、勢いのままに一塁キャンバスを蹴って二塁へと向かうも、これは外野からの返球が早くタッチアウト。安打の記録は消えないが、塁には残ることができずベンチへと戻っている。