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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.630572
#518
男の左腕は、失われてなどいない。
一度、敗北を経験したシエルが言った確証無き推測を、アルクは信じた。恐らくそれが正答であると、彼女は交戦当初に気付いたからだ。
放たれた黒剣、物質化する爪の残影。
それら全てが男を捉える前に機能を失い、存在を奪われた事実。
男は未だ右腕を振るわず、魔術・魔眼の使用も二人は感知していない。
固有結界にでも引き込まれたかと思ったが、それなら初手から勝負になどなってはいまい。勝負になる前に決着はついているだろう。
そうしてたどり着いた結論が、“左腕”。
手段、方法は不明だが、男の左腕自体が消滅の概念を宿した武装であり、かつ不可視を併用しているのではないか。

そこで指標。
推論が実際に正しいのかどうかと、正しかった時の攻略法は何なのか。
ここまで男はこちらに攻撃をする様子はなく、ただ迎撃を行なっているだけ。
しかしシエルが殺された時は本当に突然だったというから、攻撃方法は確実にあるのだろう。
つまり今はその正体を探りつつ、慎重に立ちまわなければならない。
男の武装が一撃に弱いタイプか、手数に押し切られるタイプか。二人の勝機はそれを掴めるか否か。
シエルの黒剣、つまり手数では男が揺らぐ様子は無かった。
手数としては不足だったか、指標としてズレているのか。
「弱点がないなんて、ないわよね…!?」
アルクが突っ込む。
「なんや、そないはよう気付いたんかいな!」
ここに来て男が語気を強め、追う動きから一転し大きく一歩を引く。
それを見て、だがシエルは動かない。彼女の役割は敵を見切ること。
いかに強力な武装であろうとも、真祖がそう簡単に敗北することなど考えられない。
なら、黒剣による手数と第七聖典による一撃を兼ね揃えるシエルが待機するのは至極当然。止どめを放つ役は、会話もなく請負った。
アルクが男を追い込み、右の爪を振り上げる。
瞬間、視界が弾けた。
 
えっと、志姫編をアップさせて頂きます。
皆さん、本当に有り難うございます。お陰様で、作者のミジンコ精神にも微妙に熱がこもりました。
ただ七夜志姫や、その他月姫本編に登場しないオリジナルキャラの処遇は決めかねてる現状で、スレ住人の皆さんの意見を聞かせていただきたいと思っています。
また、文体などに駄目なところあればガンガン指摘くださると嬉しいです。
最後に、皆さんにGJを。そしてスレを荒らしてしまいすみませんでした…。


[ 匿名さん ]
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