爆サイ.com 甲信越版

🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.654720
合計:
#228
前回は>>227


「行けぃ!」
「にゃにゃにゃ! にゃんとびっくり鹿が出た!? 貴様手品師か!!」

なんと、男のマントから鹿が飛び出した!?
その鹿の大きさから言って、どう見ても元から入っていたようには思えない。
怪夜に出現する変態は、伊達じゃないようだ。
しかしその驚きは、それ以上の驚きによってかき消される。

「ブィーム!!」
「な、なんとぉ!?」

目からビーム……そんな空想科学にすらもうねぇだろって程古風な技が。
今そこで実現していた。そのビームはなんと鹿を焼き尽くし。黒マントに襲い掛かった。

「ぬぅ」

それを辛うじてかわしてじっ、と猫アルクを睨みつける。

「どーにゃ、参ったか!! 猫族に伝わる奥義、真祖ビームにゃ!
 これに懲りたらもう追ってくるの止めたり更に加熱した追いかけっこをしてくれると嬉しかったり」

やはり楽しんでいた猫アルクだった。
そして、その思惑通りに。

「な、なんたる生物……これは是非とも、是非とも捕まえたい!!
 かつてこんな、ここまで滅茶苦茶な……多少、手荒な真似をしてでもっ!」

マント男は更にヒートした。
怪しさ全開どころか職務質問確定、任意同行すら求められるんじゃないかなーって感じに。

「そうそう、変態はそうでにゃーとにゃー。さぁ、我が秘伝を受けてなお、その変態度を維持できるかにゃ?」

ぐるんぐるんぐるん。猫の体が不可解な回転を見せ、そして。

「にゃんぷしーろーる!!」
「ぬぁっ!」

逃げていたはずの生物が突然の突進。マント男は避けられずに、小さな体のパンチが炸裂する!

「ぬるいな……それが秘伝なのか?」
「ぬるいのはどっちにゃのかな?」

たいした威力はなかったように思えるその一撃、しかし。
それは恐ろしいまでの威力を発揮していたのだった!!
寄ってこようとするマント男は。

「な、なんだとっ!?」

驚愕の声を漏らすのも無理は無い、何せ全身しようとの意思に反して体は後退。
普通に動いているのに逆方向。その度に声を漏らすマント男は、はっきり言って。
余計に変態度が増しているようにも見えていた。

「にゃっはっは! さらばにゃ変態! そんな萌えの無い変態にゃど相手をしている時間はにゃーいのだよ」
「ま、待てと言っておるだろうに!? こ、こらー!!」

高らかに笑いながら歩いて去って行く猫アルク。それを追いかけようとして逆方向に走り去るマント男。
そうとうにテンパっているようで、逆に動こうという考えも浮かばないのか。
滑稽と言うか、随分と奇妙な展開がそこで行われ。後には虚しく吹く風だけが残った。
なんのコントだ、これ?


[ ねこあるくのぼうけん 前半戦その2 ]
TOP