毒混入の機会は会長宅でしかあり得ないので(奥西が1人きりで公民館で犯行に及べる時間はない)、犯人は会長宅住民か会長宅を訪れた者の中に絞られる。そして、ぶどう酒が会長宅に運び込まれてから、会長宅でたった1人の時間を持てた人物は、会長の母親しかいない。
他のあらゆる容疑者と違って、この母親は犯行における時間的余裕を最も有している。会長は仕事で農協にいる、嫁達は親族の見送りで戻ってくる時間も大体把握できる、懇親会の準備で会長宅に人が集まる時間も把握している。つまり、会長宅にぶどう酒と母親だけが存在する時間が1時間程度確保できたことになる。
動機は捜査不能なので除外するとして、ニッカリンT以外のテップ剤や王冠を歯で開ける咬合力の謎はあるが、状況的には一番該当する人物。