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🩺 病気・医療総合


No.5976855
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しばらく前、食生活に潜む危険について新たに警鐘を鳴らすニュースが世界を駆けめぐり、いたるところで食べかけのドーナツがゴミ箱に捨てられる事態が発生した。ニュースの見出しには、「糖はがんの好物:最新研究で判明」といった言葉が躍っていた。

問題となった論文は、『Nature Communications』に2017年10月13日付で掲載されたものだ。「今回わかった糖とがんの関係は、広範囲に影響を与えるでしょう」と、共著者のひとりであるベルギーの生物学者、ヨハン・ティーヴリンはプレスリリースで述べている。確かに影響は広範だった。反・炭水化物派の闘士たちは、すぐにTwitter上で糖類撲滅の気勢をあげたのだ。

だが、ちょっと待ってほしい。今回の発見は、糖の摂取(あるいは糖の摂取を断つこと)が、がんの発症や成長に影響を及ぼすことを証明するものではない。この研究の対象は酵母であり、その結果は以下の通りだ。
論文の著者が、のちにトーンダウン

まず、酵母をブドウ糖過多の条件におくと、腫瘍内によく見られるある種のたんぱく質が過剰生産される。このたんぱく質は、腫瘍細胞の成長と分裂を促進する。したがって、高血糖は既存の腫瘍を悪化させるおそれがある──というものだ。

確かに興味深い研究だが、特定の食生活を医学的見地から推奨するものではまったくない。論文掲載の翌週には、ティーヴリンもメディアに向けて、主張をトーンダウンさせた。「糖ががんを発生させるメカニズムをわたしたちが発見したと一部の人は解釈していますが、それは明らかに誤りです」

実験室で培養された菌による結果を、ヒトに安直にあてはめたがる傾向は、栄養学の分野で特に顕著だ。食生活の研究が一般受けするのは、シンプルな答えを授けてくれるからである。

「脂肪や炭水化物をカットしなさい、2日ほど断食しなさい、ネアンデルタール人が食べていたものだけを食べなさい」。混乱を極める世界のなか、こうした言葉は節制の効果をうたう。

だが、ティーヴリンは臨床医ではないし、今回の研究は食生活に関するアドヴァイスのために行われたわけでもない。彼らは分子生物学者で、ワールブルク効果と呼ばれる現象のメカニズムを解明しようとしていたのだ。


[ 匿名さん ]
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